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ニュース〜医療の今がわかる

患者の「知る権利」と「知りたくない権利」 ─ 明細書で激論

■ 「保険者が全患者に渡すのが一番」 ─ 西澤委員
 

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 私たち(診療側)が賛成しているのは、今回の(厚労省の)提案というよりも、私たちがこういうもの(明細書)を出すということは賛成です......、ということだと思います。

 方法論はまだちょっと......、嘉山先生が言ったような細かい具体的なことはいろいろ議論しようかな......と考えている......。(ここで遠藤会長が割り込む)

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 今のお話では、点数についてまさに(明細書発行体制等加算を)病院も対象にするかという、要するにお金の問題だけが議論のように、問題点として挙げられているように思いますけれども、そうではないのですか?

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 ちょっとよろしいですか?

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 はい、どうぞ。

[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
 (明細書議論の)経緯ですが、(昨年)11月に行われて、その後何回か議論と思ったのですが、1月15日は正直申しまして、ほとんど議論にならないまま終わったと思っています。(中略) ただ、あまり(問題点を議論したいと)言うと、最初から後ろ向きに思われるので、そうじゃない。(明細書を)出すことはやぶさかじゃないという姿勢。

 ただ、私もまだ疑問点として、(医療機関が保険者に診療報酬を請求するために提出する診療報酬明細書=レセプトを)保険者に(開示)請求すれば出してもらえるのに、「ほとんど請求がないのはどうしてなんだろうか」とか、そういう辺りの検証もされていないんじゃないか。「本当に全員の患者が欲しがっているのか」とか、そういうことも考える必要があると思います。(中略)

 勝村委員は、(受診から発行まで数か月必要なレセプト開示よりも、受診後すぐに)「リアルタイムでもらうのがいいんだ」ということを言われまして、「そうかな?」と思っていますが......。
 私としてはやはり、保険者に......。保険者が全患者に渡すのが、私は一番きちんとしているし......、保存するにもそのほうがうまくいくんじゃないかな。(健保組合などが)きちんと形式をつくってファイルなんかをしていけばうまくいくんじゃないかな、そういう面もあるので、そういう辺りもちょっと片方で......。

 もう一度、私たちと保険者との間でいろんな話し合いは今後ですね......、今回、(全患者への発行を?)入れた上で、(改定の影響を調査する中医協・検証部会の)検証の中でいろんな議論をしていきたいと思います。

 それともう1つ、前回(の議論では)、コストなどの問題を含めて具体的にどう進めるかは別の話と考えているということで、私たちも現実問題そう思っているので検討したいということで、最終的にここは中医協ですから、「出すことはいい」と言った上で、コストというのは大事だと思います。(中略)
 いくつかの病院に聞きましたけど、うちの病院も含めて、「やるんだったら、人を1人増やさなきゃならないな」という話が起きています。まだ実施しないと分かんないんですが......。

 それから、嘉山委員が言ったように紙の問題もあります。私たちは電子化するときに「紙をなくす」ということを進めてまりました。そういうことで、プリンター等々も整理してきた。また、プリンター等々も買わなきゃならないとか、やはりハードのいろんな整備、人件費......。
 そうすると、これをするためにコストが掛かるということで、「綱渡りをどうするんだ」という議論は片方でなければですね、(全日病の)会員から(明細書の無料発行を)決めたときに、「厳しい中で経費の持ち出しになる」と......、かなりいろんな質問とかが来ると思いますので、その(コスト面の)議論は併せてやっていただきたい。

 だから、(明細書発行を)するという前提の下で、そのための経費等々の議論を......、中医協ですから......、しなければならないと思います。嘉山先生は「保険でみるのではなく医政局マターの補助金などでみる」という話だったと思います。よろしくお願いします。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 あの......。

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 よろしいですか?

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 白川委員、どうぞ。

 ▼ 明細書の議論開始から約30分が経過。診療側の意見を黙って聴いていた白川委員がようやく発言。怒り気味。


【目次】
 P2 → 「正当理由ない限り、全患者に無料発行」を提案 ─ 厚労省
 P3 → 「こういう方向でお願いしたい」 ─ 勝村委員(支払側)
 P4 → 「個人情報が出てトラブルを生じることを危惧」 ─ 渡辺委員(診療側)
 P5 → 「プライバシーが出るリスクが非常に高くなる」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P6 → 「めちゃくちゃな患者さんが一杯いる」 ─ 邉見委員(診療側)
 P7 → 「保険者が全患者に渡すのが一番」 ─ 西澤委員(診療側)
 P8 → 「医療内容や価格を教えてもらう権利がある」 ─ 白川委員(支払側)
 P9 → 「無理矢理押し付けて渡さなければならないのか」 ─ 鈴木委員(診療側)
 P10 → 「いろいろな観点が混ざって議論の収拾が付かない」 ─ 小林委員(公益側)

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