「いいチームになった」 ─ 揺れた中医協の診療側に一体感
4月の診療報酬改定に向け、昨年11月から集中的な審議を続けてきた厚生労働相の諮問機関・中央社会保険医療協議会(中医協)は2月12日、改定内容を長妻昭厚労相に答申した。
閉会後、診療側委員は厚労省前の日比谷公園内にあるレストラン「日比谷松本楼」で記者会見を開き、約50人の報道関係者が詰め掛けた。
最初に入室した三浦洋嗣委員(日本薬剤師会理事)は、記者席から見て一番右端の席を選んだ。続いて、渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)は一番左端に、その横に邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)が腰掛けた。
次いで、西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)が邉見委員の隣にバッグを置いたが、邉見委員と相談した上で席を移動、鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事)と並んで座った。
一番最後に嘉山孝正委員(山形大学医学部長)が入室。真ん中の席が1つ、嘉山委員のために空けてあった。記者らのボイスレコーダー(録音機)が嘉山委員の前に置かれた。
委員になって3回目の答申を終えた"古株"の邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は会見で、「肉体は大変しんどかったが、精神的には楽しかった」と笑み。
「(新たに中医協に)入られた方々を中心に、医療現場からの声が議論に上がった」と評価した。
また、2008年度改定に次いで今回が2度目となる西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も診療側委員の変更に触れ、「最初は非常に不安を持って臨んだ」と明かした。
その一方で、「新しく選ばれた先生方も含め、『医療を良くしたい』という思いは一緒なので、打ち合わせをしている中でお互いのことが分かり、非常にいいチームで改定に臨めた」と振り返った。邉見委員も「今回の中医協は良かった」と満足げだった。
【目次】
P2 → 「中医協を改革する」 ─ 診療側に一体感
P3 → 「まだまだ納得できるものではない」 ─ 三浦委員(日薬)
P4 → 「再診料の引き下げは残念」 ─ 鈴木委員(茨城県医師会)
P5 → 「誤解の下で議論や対立があったことは残念」 ─ 西澤委員(全日病)
P6 → 「日本の制度疲労が一番露呈している場が医療」 ─ 嘉山委員(山形大)
P7 → 「元凶は財務省、越権行為のように踏み込んだ」 ─ 安達委員(京都府医師会)
P8 → 「歯科の審議が少なく、消化不良だった」 ─ 渡辺委員(日歯)
P9 → 「肉体はしんどかったが精神的には楽しかった」 ─ 邉見委員(全自病)