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ニュース〜医療の今がわかる

「いいチームになった」 ─ 揺れた中医協の診療側に一体感

■ 「再診料の引き下げは残念」 ─ 鈴木委員
 

[鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)]
鈴木邦彦委員0212.jpg 私は他の2人(ママ)と共に、今回新しく中医協の委員に就任させていただきました。私の役割は地方の医師会の代表と、それも本当にあの......、「医療資源の乏しい地域の意見を中医協の場にどれだけ届けられるか」ということだったと思っております。

1. 改定率
 まあ、改定率についてはいろいろなご意見はございますが、私も全体として前政権下でどんなに我々が頑張ってもですね、ネット(全体)でプラスにならなかったものをプラスにしていただいたということは私は評価すべきだというふうに考えております。

2. 入院医療への重点配分
 また、その中で特に「医療崩壊」、その中でも「病院崩壊」といわれている中で、最も今、厳しい状況下にある産科、小児科、救急、外科等に重点的に配分を行ったということも、やはり現状を考えますと、これはあの、当然のことであったろうと思うし、我々地域ではそれを身を持ってですね、日々感じながら診療をしておりますので、診療所の先生方も今回のそういう大きな重点項目に関して協力していただけ......、賛同していただけたと思っております。

3. 診療所の再診料引き下げ
 しかし、その中で最後に(診療所の)再診料の問題で、今回の診療報酬改定はみんなで協力して、「医療崩壊から再生に向けた一歩にしたい」という意味でですね、ぜひ「診療所も皆さんも一緒に闘った」「協力した」という意味でですね、再診料の引き下げには反対しておりましたが、それは認められず......。(地域医療貢献加算など)一部加算という形では付きましたが、それは残念でございます。

4. 地方病院への配慮
 地方の声ということでは、今までは(看護職員数などの)基準が取れなければ、「それは怠けている病院」というように、診療報酬上は見られてしまいがちでしたが、それが地方では努力しようにも人がいない。

 あるいはですね、とにかく(看護職員らを)「採りたくても採れない」、そういうことがあるんだということをご理解いただけ......、(月平均夜勤72時間以内の要件を満たさなくても一気に点数が下がらない救済措置として7対1入院基本料などの)一部基準を2段階にしていただいたりとか、そういうことが実現したことは良かったと思っております。

 また、(看護職員の確保が難しい地域の施設基準を緩和する)「地域特性への配慮」に関しましては、ぜひ過疎地や離島だけじゃなくて、例えば豪雪地帯、特別豪雪地帯、そういったところでも非常に困難な状況で頑張ってらっしゃる医療従事者の方々がおりますので「何とか少しでも応援できれば」と思いましたが......。
 今回(改定で)は、それは「附帯意見」ということになりましたので、これは引き続き(中医協が)再開されましたならば、さらに詳しく調査しつつ、次に向けてですね、努力していきたいと思います。

5. 今後に向けて
 日本の医療制度は、私は外国の医療制度も少し勉強しておりますが、「非常に安いコストで充実した医療」という意味では、本当に世界一だと思いますが、これが本当にあの、「地方の過疎地」「高齢・過疎地」から壊れようとしている。これを何とかですね、食い止めてですね、平等な世界一の日本の医療制度を守っていきたいというふうに考えております。私からは以上でございます。

[邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)]
 ありがとうございました。西澤先生、お願いいたします。


【目次】
 P2 → 「中医協を改革する」 ─ 診療側に一体感
 P3 → 「まだまだ納得できるものではない」 ─ 三浦委員(日薬)
 P4 → 「再診料の引き下げは残念」 ─ 鈴木委員(茨城県医師会)
 P5 → 「誤解の下で議論や対立があったことは残念」 ─ 西澤委員(全日病)
 P6 → 「日本の制度疲労が一番露呈している場が医療」 ─ 嘉山委員(山形大)
 P7 → 「元凶は財務省、越権行為のように踏み込んだ」 ─ 安達委員(京都府医師会)
 P8 → 「歯科の審議が少なく、消化不良だった」 ─ 渡辺委員(日歯)
 P9 → 「肉体はしんどかったが精神的には楽しかった」 ─ 邉見委員(全自病)

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