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ニュース〜医療の今がわかる

「いいチームになった」 ─ 揺れた中医協の診療側に一体感

■ 「元凶は財務省、越権行為のように踏み込んだ」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
安達秀樹委員0212.jpg 安達でございます。あの......、まあ、中医協委員になったことの感想は、後にまたご質問でもあればお答えをいたします。今回の改定全体に限って、私が今感じていることを申し上げます。

1. 入院・外来の配分について
 当初から、私は「日本の医療崩壊というのは非常に病院において厳しい」という認識をずっと示してまいりました。今回、病院に多くの財源が充てられた。これは正しい改定の方向であったと思っております。
 ただ、政権公約で民主党もおっしゃったように、「せめてOECD並みの対GDP比の医療費でなければ日本の医療崩壊の解消ということは大変難しい」ということはもう自明の理でありまして、今回の配分の中での割合は病院に多かったけれども、「それで病院が十分安全だ」ということは到底あり得ないと思っております。

 個人診療所(を代表する委員)は実際には私しかいないので、まあ、一昨日(2月10日の中医協で)、私はあのような意見を申し述べさせていただきました。それについて、今回改定について個人診療所の立場から言えば、私の意見は一昨日申し上げた通りです。
 大変ありがたいことに、メディアの皆さんの一部の方がその全文を再現をしていただいておりますので、大変感謝申し上げておりますが、どうぞそれをお目通しをいただきたいと思います。

 結論から言えば、私は元凶は財務省だと思っております。事業仕分けでも、いわゆる「大胆な配分の見直し」ということが言われて、(入院)4400億と(外来)400億という枠の設定まで越権行為のように踏み込んだ。これは、大変問題が大きいと思いますけれども、その事業仕分けの中でも語られた財務省の考え方というのは、要するに総枠が足りない中で、「better than worst」から、「worst」へ持ってこいという話であります。
 これは極めて危険でありまして、そうやると全部が「worst」になるということでもあるわけで、「better than worst」の方も、そんなに余裕があるわけじゃないというのが現状であります。そういうことを一昨日、私は申し上げました。

 今後の中医協の議論において、この部分だけを取り上げて言えば、診療報酬の中での外来の基本料というものは、どうあるべきなのか。その額はどこが妥当なのかという議論は非常にしっかりとやっていかなければならないというふうに思っております。

2. 「地域医療貢献加算」について
 最後に1つだけ申し上げます。メディアの皆さんの、特に、いわゆる「大新聞の皆さん」というのでしょうか、記事を全部ではありませんけども今回の改定について見せていただきました。

 ひょっとして私は皆さんの中に誤解があるのではないかと思っています。つまり、(休日・夜間の問い合わせに対応すれば3点加算される)「地域医療貢献加算」というものを付ければ、「(再診料は2点下がっても)従来よりも(1点)プラスではないか」という表現が目立ちます。皆様方、大変大きな誤解をしておられると思います。

 (平成)19年度まで、20年度改定以前は、この診療所における外来の基本料というものは、再診料71点と外来管理加算52点、合わせて123点だったんです。それを20年度改定で財源論に終始して、後からいろんな理屈を付ける中で、実質上、いわゆる皆さんが使われる単語で言えば「お薬受診」というもの、これを排除するということを財源論で決めた。
 今回もまた財源論で縛られて、私どもは(外来管理加算の)算定回数の回復ということを放棄せざるを得なかった。(5分要件を撤廃しても)この状態は続いていくわけでありまして......。

 厚労省のこの間のデータでもお分かりのように、(外来管理加算の算定回数の)25%(に当たる800億円)が削減されたままなのであります。今回もその(外来管理加算の5分要件に代えて新たな)要件を入れたことで、(厚労省は800億円のうち120億円を戻すとしているが)このマイナス算定状態は続いていきます。

 (診療所のマイナスは続くという)それを踏まえての話でありますので、「123点が取りようによってはなんぼでも124点になるからと」(いうのは)......、「とんでもない議論だ」ということを申し上げておきますし、「報道は正確にお願いをしたい」ということも併せてお願いをしておきたいと思います。以上です。


[邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)]
 それでは、渡辺先生。


【目次】
 P2 → 「中医協を改革する」 ─ 診療側に一体感
 P3 → 「まだまだ納得できるものではない」 ─ 三浦委員(日薬)
 P4 → 「再診料の引き下げは残念」 ─ 鈴木委員(茨城県医師会)
 P5 → 「誤解の下で議論や対立があったことは残念」 ─ 西澤委員(全日病)
 P6 → 「日本の制度疲労が一番露呈している場が医療」 ─ 嘉山委員(山形大)
 P7 → 「元凶は財務省、越権行為のように踏み込んだ」 ─ 安達委員(京都府医師会)
 P8 → 「歯科の審議が少なく、消化不良だった」 ─ 渡辺委員(日歯)
 P9 → 「肉体はしんどかったが精神的には楽しかった」 ─ 邉見委員(全自病)

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