日本脳炎「現在の観点からは反省すべき所」 厚労省
黒岩
「欧米では不活化ワクチンが一般的というが」
福島
「日本には薬事承認されているワクチンがない」
亀井
「我が国でも01年に、財団法人ポリオ研究会が承認申請したのだが、種々の理由から05年に取り下げた。他には単抗原ワクチンの開発を行っているところはなく、4種混合を02年ごろから5社ぐらいが検討していた。しかしポリオ研究会が取り下げたために各社の開発も遅れた。また混合ワクチンで臨床試験のデザインが複雑化していることもあり遅れている。厚生労働省としても早く承認できるよう各社に促している」
座長
「検討委員会でも検討されていて、ぜひ不活化ワクチンを早目にと提言している。輸入に関して言うと、日本はセービン株という安全なものを使っていて、欧米はワイルド株という実際に流行しているもの。そういう違いがあり、なかなか理解が得られない」
岡部信彦・感染症研究所感染症情報センター長
「先進諸国では不活化ワクチンへの移行をいち早く済ませている。効果や費用は生ワクチンの方がはるかに優れているが、ここまで病気がなくなっていて、一方で麻痺が出てきているならバランスからいって不活化を選ぶべき。厚労省は、メーカーがしないからという言い方をするが、方向性としてどういう形が必要か、早く導入するには何が必要かというのをやっていかないと3すくみになって導入が進まない。もちろん丁度治験のやり方が変わったとか不孝なことがいくつか重なってこうなっているわけだが」
座長
「検討委員会の議題でもあるが、この部会でもやる」
岩本愛吉・東大医科研教授
「不活化ワクチンに切り替える時、どういう仕組みでやるか考えておく必要はあるかな」
福島
「ご指摘の通り、不活化ワクチンが承認されても、すぐ十分な量が供給されるわけではない。どういうスケジュールで切り替えるのか、混合ワクチンをどう導入していくのか、2つのことを同時に進めていく必要がある。今の時点でどういうというのは申し上げにくいが、課題は認識しているので、移行プログラムは検討を進める」
座長
「検討委員会の議事録をご存じでない委員の方々に送るように。既に検討委員会で議論はしている。この場で繰り返すことじゃない。ただ、検討委員会は局長の諮問機関だったけれど、この部会は大臣直属の審議会の下なので発言は重い。発言には注意してほしい」
黒岩
「根本的な法改正というのは、ワクチン後進国になっちゃった反省やこれまでの議論の反省も必要だろう。過去の議論を全肯定するのなら、何のための議論か分からない。納得できない」
開戦である。