日本脳炎「現在の観点からは反省すべき所」 厚労省
15日、『第6回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』(部会長・加藤達夫成育医療センター総長)が開かれ、小委から上がってきていた新年度からの日本脳炎ワクチンの接種勧奨再開の方針を認めた。厚生労働省の福島靖正・結核感染症課長は、免疫空白世代を生んでしまった5年前の勧奨差し控え決定について「現在の観点からは反省すべき所はある」と述べた。また、部会長と黒岩祐治委員(ジャーナリスト、国際医療福祉大教授)とが前回に引き続いて非難しあった。(川口恭)
日本脳炎の方針に関して黒岩委員が質したところから議論は始まった。
「5年間の空白に関してワクチンの輸入は考えなかったのか。検討されなかったのだとしたら、その理由は」
部会長(座長)
「血液対策課長」
亀井美登里・血液対策課長
「海外にも2社、日本脳炎ワクチンを製造している会社はあるが日本の承認を取れていない。承認審査にはそれなりの日数がかかる。私どもからお断りしているわけではない」
座長
「結核感染症課長」
福島
「積極勧奨を差し控えた当時、既にベロ細胞由来(新しい製造法)のワクチンが承認申請されていた。当時は速やかに承認される見込みだったので、そのような措置を取ったのだが、結果として遅れてしまったのは事実。ただ、そこから海外のワクチンの承認を取る作業をすると時間がやはりかかる。結果から見ると、当時の判断は十分でなかった。私どもはそれについて、現在の観点では色々と反省すべき所はあると」
喋っている最中に座長割って入って
「手短かに」
黒岩
「輸入は検討しなかったのか」
座長
「私の知っている範囲では、当時は海外のワクチンにもライセンスは降りてなかった。欧米でもつい1、2年前に承認されたところだ」
黒岩
「課長は反省していると言った」
加藤
「日本脳炎に関しては、日本にしかワクチンがなかった」
福島
「当時の見通しで通知を出して直ちに中止。。。失礼しました、積極的勧奨差し控えをしたことに関しては色々と判断はあったのかなと思う」
坂谷光則・近畿中央胸部疾患センター院長
「5年間ギャップがあると、どうなるのか教えてほしい」
宮崎千明・福岡市立西部療育センター長
「5歳かもう少し上ぐらいの世代までは免疫が下がってきている。急に患者が増えることはないだろうが、何十年かの中で段々とリスクが上がって行くだろう」
(以下略)
この後、『今後の進め方』について一通り委員から意見を出させて、ポリオワクチンを巡る議論になった。