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治療成績ビリになっても、がん難民つくらない 国立がん研究センターが使命公表

100610ncc.JPG 4月に独立行政法人化された国立がん研究センターが10日、理念と使命を公表した。8つ策定した使命の冒頭に「がん難民をつくらない」が掲げられた。公表の席で、嘉山孝正・理事長(写真左から3人目)は「治療成績が全国ビリになっても構わない。がんセンターにしかできない難しい患者さんの治療をやっていく」と述べた。(川口恭)

 公表の場は、片木美穂・卵巣がん体験者の会スマイリー代表(写真左から2番目)と天野慎介・グループネクサス理事長(写真一番左)も登壇、同センターに対する質問や要望を述べ、嘉山理事長がそれらに答えながら理念・使命を説明するという形式で行われた。

 嘉山理事長によると4月・5月と2カ月の間に、たとえば名称と役割が一致した機能的な組織体系へ変更し、また患者さんと直接接することの多いレジデントが何の心配もなく患者に向き合えるよう処遇を大幅に改善した。また特定機能病院のトップを切って、中央病院・東病院の治療成績を公表した。

 嘉山理事長は発表の最後に「昨日、科長たちに言った。治療成績が全国ビリでも構わない、と。それは、がんセンターにしかできない患者さんを治療するから。各都道府県のがん拠点病院は標準的治療をきちんとやる。それでも治らない場合には、がんセンターが引き受けますよ、ということを掲げる。難治性がん、再発がんは、がんセンターでやるので、その代わりに新しい薬を使ったりするから、国民の皆さんにも、その支援はお願いしたい」と述べた。

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