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ニュース〜医療の今がわかる

赤信号みなで渡れば合法になる


大磯
「法廷ではそうではない。むしろ真相究明という言葉は紛争化の方向に使われ残念。我々は、真相究明ではなく信頼構築に重きを置くべきでないか」

小松
「ケンカ腰になるという問題はその通りだが、しかし問題解決のために信頼関係を構築するというのにも問題がある。事実の認識は医療者だけでやるべきだろう。問題解決のためにやるとネジ曲がるというのをイヤという程見てきた」

内田
「司法に任せてしっかりできるか」

小松
「ボロい医療機関はいくら叩いてもよくならない。医療界の内部で何とかするしかない」

会場
「患者は、どうしたら主治医を殺人者にすることなく、終末期に望んだことをしてもらえるのか。確実な仕組みがないではないか」

大磯
「現状の法システムでは、こういう手続きを踏めば刑法に問われないんですよというのはない。ただし、先ほど小松先生が言われた『赤信号みんなで渡れば怖くない』というのは確かに司法には通用する。法律は国民が決めるものだから、国民が皆で行動すれば法が変わる、運用も変わる。成文法だけで変わるものではなく、民意で変わるのが司法だ」

(中略)
会場
「神経内科医として働いて来た。DNRの意思表示が明確な方はよいが、そうでない場合は葛藤がある。プロフェッションとして決めるというのはおごりと感じることがある。本人の意思を忖度してということに怖さはないか」

濱木
「私の場合は血液内科医なので、たとえ呼吸器に乗せても、元の病気が進むし、頑張っても期限はあるよという話ができる。神経難病は難しいかもしれない。患者家族は、どういうつらさが待っているか想像する場がないので、つらさや喜びを伝えて、最終的にはご相談になる」

小松
「悪性腫瘍の末期に挿管することはメリットがないと伝えている。胃ろうなんかについては、日本と世界の常識が異なる。日本の医療は異常。NICUも同じ。もう少し、どこまでやるのか社会と相談した方がいい」

濱木
「医者の中でも、まだ全然議論されてない」

須田
「医学教育から直さないといけない。本当に、あきらめてはいけない一辺倒で、もう少しトータルに見る必要がある」

内田
「ガイドラインができれば現場としては気持ちが楽になる。しかし現実には極めて個別的な話で、どういう選択になるかは事例ごとに異なるだろう。場合によっては患者さんと家族との間の利益相反もある」

会場
「小松先生に一言だけ。無意識に死後の復活を意識しているキリスト教社会ではミゼラブルになる前に医療を終わらせるというのが成立しやすいが、今生の永遠の別れという日本では延命治療に関する考え方が違うかなと思う。感情のベースが違うのでないか」

小松
「ケアとキュアで言うと、キュアをめざしすぎ。Do no harm が行き渡ってない。人間必ず死ぬという前提でやらないと、残り少ない人生、かえって患者さんを苦しめることになる」

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