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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼11 薗部友良・VPDを知って子供を守ろうの会代表(下)


薗部
「日本の法体系というのは、やはりもう一度見直すべきというのは思います。明治のドイツ式を守れば良いのではなくて、法律は国民のためにあり、法律のために国民が存在するのではないということですね。それから予防接種法において何が大切かといえば立法の精神です。VPD患者を減らすためには良いワクチンを取りそろえて、総てを無料で接種できる定期接種化して、予防接種率を高める総ての方策を取りそろえることだと思います。立法の精神が下位の法律に行き渡らないといけないのに、下に行けば行くほど接種しにくい体制になっています。また疑わしきは罰せず、多くの真犯人を取り逃がしても1人の冤罪者も作らないというのが司法の根本の精神のはずなのに、ワクチン関係ではそれが守られてないのが現実だと思います」

村重
「仰る通りです。でも、国民の皆さんが、法律は国民が作って、自分たちが生活しやすいように変えていくんだという意識を持っていただかないと。お上が動くのを待っているとか、お上の作った法律だから守らなきゃいけないとか、それは違うんですよ。おかしいものはおかしいと言って、法律は人間が作ったものですから、どんどん変えればいいと思います」

薗部
「成熟した民主主義になってほしいですね」

村重
「まず情報を開示して知っていただいて、それから国民に考え声を挙げていただくという、いい循環ですよね」

薗部
「昔、古井厚生大臣がポリオワクチンの緊急輸入をして、治験無しで投与して、幸いうまくいってポリオが撲滅できた、というものすごく良いことありました。あれも杉並のお母さんたちが最初に立ちあがったのがきっかけだったとも聞いております。最終的に全国のお母さんたちに広がって、NHKをはじめマスコミも皆で応援したから、国民の声にこたえて古井厚生大臣が蛮勇とも言えるような凄いことが出来た訳です」

村重
「それが国民と政治家が動く本来の仕組みですよね。政治家の判断を左右するのは国民なので、ぜひ声を挙げていただきたいですね」

薗部
「それにも、まず情報ですね。当時ポリオがこんなに流行しているというのが伝わって、新聞を読まない人でも周りであの子がポリオになったと聴けば、それは何とかしたいと思うのが当たり前の話ですね。現在、実際は多くの子どもがVPDで不幸な目に遭っていても、昔ほどの大流行する病気がないので、その不幸が伝わっていきませんね。また、医学が進歩したから何とかなると思っていることが多いと思います。しかしVPDは罹患してからではよい治療法がないのです。だからこそ、皆でワクチンを守っていかないと、結局みんな最後に損しますよって」

村重
「国民みんな損しますからね」

(この記事へのコメントこちら)

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