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メタボリックシンドロームお前は何者?

なってしまったらどうするの?
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 診断基準に当てはまってしまった方、ガッカリでしょうか。でも、ここまで読んでいただいたらお分かりと思います。繰り返しになりますが、まったく悲観するには及びませんし、問題が起きる前に早く分かって「ラッキー」だったのですから、前向きに治療に取り組みましょう。
 とりあえず内臓脂肪を減らさないといけません。
 まずは何といっても生活改善です。厚生労働省研究班の調査によれば、内臓脂肪型肥満の方々には、「満足するまで食べる」、「交通手段に自動車を使う」などの特徴があるそうです。腹八分目を心がけるとともに、日常生活で体を動かすようにしましょう。最も手軽でよいのは、歩くことですね。(標準的な運動処方は表参照)
 内臓脂肪を基準値以下まで落とせればそれに越したことはありませんが、いきなり過大な目標を立てると挫折する原因になります。さしあたっては、体重の5%程度を減らそうとめざすのが一般的のようです。
 たった5%であっても、運動をしながら減量した場合は、内臓脂肪が優先的に減ってくれます。もともとそういう性格の組織なのですから、当たり前といえば当たり前ですが、勇気が出てくるのではないでしょうか。
 この際、自分の体重と食事の内容を毎日記録するとともに、それまでの生活のどこに問題があったか洗い出し、もしストレスが原因になっているなら過食以外の解決策を見いだすと、成功する確率がグーンと上がります。自分に対してご褒美を上げたり、周囲の人に見ていてもらったりするのもよいようです。
 3カ月から半年程度、運動療法や食事療法で努力してもリスクの高い状態が改善されない時は、重大な発作を予防するためにも、高血圧、糖尿病、高脂血症など、表面に出ている疾病をコントロールするよう投薬が行われることになります。薬を飲んだら生活改善しなくてもよいというものではなく、やがて薬が必要なくなる日が来るよう、さらにもうひと頑張りしてみましょう。

労災保険が適用されます。  サラリーマンの場合、事業所で受けた定期健康診断(一次検診)の結果、高血圧、肥満、高血糖、高脂血症すべてに当てはまると、その先に受ける二次検診の費用や特定保健指導の費用が労災保険から給付されます。思い当たる方は、会社の厚生部門か労働基準監督署にお尋ねください。  これは、メタボリックシンドロームの人に、費用負担してでも生活改善させた方が、放っておくより社会的損失は少ないと見なされた、ということです。
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