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免疫きほんのき 3

63-1-1.JPG 体内に侵入した病原菌等は最終的に排除されなければなりません。ここで免疫が革命的に進化を遂げた一方、予期せぬ弊害も起きるようになりました。
監修/小林一彦 JR東京総合病院血液・腫瘍内科主任医長

3回シリーズの免疫のはなし。「自己と非自己を識別し、非自己を排除する」という免疫の働きのうち、今回はいよいよ最終章、免疫システムが「非自己をいかに排除するのか」を取り上げます。代表的な排除方法は、大まかに3パターンです。

原始的な「食う」

 まず、マクロファージ等の食細胞は、非自己の認識同様、排除のしかたももっとも原始的。前回、前々回でも触れてきているとおり、病原菌等にくっついて丸呑みにしてしまいます。まさに食細胞の名のとおり、「食う」のです。取り込まれた非自己は、分泌された酵素で消化されてしまいます。
 この時思い出していただきたいのは、マクロファージは単細胞生物の名残で、免疫は生物同士の「食うか食われるか」のせめぎあいから発達したものだ、という話。実は、今も同じです。つまり、マクロファージに食べられているように見える病原菌も、彼らにしてみれば、すきあらばマクロファージを内部から食べようとしているのです。事実、「食い合い」を病原菌が制することもあります。
 ちなみにマクロファージが消化できない鉱物の粒子などはどうなるのでしょうか。そうした異物を食べたマクロファージがそのまま死んで異物が放出されると、別のマクロファージがそれを食べ、やがて死んでまた別のマクロファージがそれを......というかたちで、半永久的に体内に蓄積していくことになります。例えば重金属汚染を受けた海産物などを食べると、体に金属がたまっていき、あるとき健康被害が現れるわけです。恐ろしい!!

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