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ニュース〜医療の今がわかる

患者の声と対話型ADR


鴨下
「第三者機関の議論は始まったばかり。こうした声は吸い上げなければならない。患者の疑問と医療者の言い分はすれ違いがち、何が重要か、罰することなのか、補償を受けることなのか、むしろ多くの方にとっては、なんでこうなっちゃったのか知りたいのだろう。当事者どうしで話してもらう。医療者は防衛的になりがちなので、お互い納得するものを見つける、患者が納得できる仕組みでないと意味がない」


ん?と思った。第三者機関の議論が既に取りまとめ段階に入っていることは耳に入っていないらしい。本題とずれるので、あまり深く考えないようにしておこう。


鈴木
「村上さんのおっしゃった死亡原因を広く取るというのは非常に大切なこと。というのは先ほどから対話が大切だという話になっているが、医師が患者さんと10倍コミュニケーションの時間をとったとしても診療報酬は変わらない。もっとヒドイ例で言うと家族とのコミュニケーションも大切だと思うのだけれど、それに対しては診療報酬は1点もつかない。そんな中、マジメな医療者たちは自己犠牲を払って患者や家族と対話しようとするのだけれど、やればやるほど燃え尽きてしまう。原因といった時の食い違い、それは直接の死因なのか、それともその死因を発生させてしまったシステムの問題なのか、きちっとしておく必要がある。たとえば日本外科学会の調査では、実に外科医の7割が当直明けの手術を経験しているという。つまりほとんど徹夜明けで手術している。そんな状態でミスをした時にそれは果して医療者本人の責任なのか。本人を追及しても恐らく再発防止にはならず、リスクのある医療行為をやらなくなるだけ。二度と繰り返さないために何が必要なのか、という原点に帰ってくることが大切だと思う」


和田
「だんだんマクロの話になっていくのだが、事故の当事者にとっては常にかけがえのないミクロの話。そういうミクロをすくい上げるのはメディアの得意分野なのかなという気もする」


黒岩
「ミクロを取り上げやすいのはその通りなのだが、エモーショナルに動かして大きなグランドデザインを壊すことになる危険性が常にある。死亡原因を広く取る、というのは実に素晴しい表現。対話にはテクニック性もあるのだが、医療者の教育で教えているのか、などなど言い始めるとキリがない。一つひとつやっていくしかないのかなと思う」

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