臨床研修検討会5
吉村
「いかによき臨床医を育てるかが問題だから、そのためには後期研修との連続性が必要で、それがうまくつながってないのが問題。プライマリケアという言葉だけに捉われるとあれだが、卒前教育と連携して後期の基盤となるべきで、初期研修だけで良い臨床医が育つというのは違う。あくまでも初期研修はバックボーンだ。やはり救急とコモンディスイーズをやればよい。内科、救急、地域医療があればよいのでないか」
福井
「もともと8カ月は自由に使える制度だ。後期につなげるようにということで、あれだけのフレキシビリティを持たせたのだが、それでは足りないという意見なのだろう。見直すにあたっては研修医の到達度を評価する仕組みが今ないので、そこはしっかりしてほしい。また制度が始まって5年で見直しになったのだから、また5年経ったら再度見直してもらえるのだと思っている」
高久
「到達度の評価基準をどこかの財団が決めることになる」
嘉山
「まとめると作業工程を決めないといかん。作った人たちは満足していたけれど問題があったということ。この制度の罪で一番大きいのは科の偏在を起こしてしまったこと。外科系に全然入ってきてない。マッチングやる時に、今までだったら調べなかったような色々なことを調べるようになって、ITが頭の中まで変えてしまった。普通の社会人と同じ職業選択の仕方をするようになった。イージーでインカムの高い方に明らかに流れている。プログラムなんかよりも、医学生の頭の構造を変えてしまったという方がはるかに大きな問題。作業工程をつくろう。若い医師をいかに国民が安心してかかれる医師に育てるか、必修は救急だけにして獲得目標をもう一度見直す必要があるのでないか。それから、先ほど大臣からも国家が教育に立ち入るのかという発言があった。医療界の自律性と自浄性で育てることを考えたら弾力化でもいいんじゃないか。矢崎先生からもあったように目標はもう一度見直してプログラムを組みなおせば」
矢崎
「私の発言が誤解を招いているようだが、この制度は基本的な診療能力を獲得させるということで予算を得ている。財政支援を得ている。公費が出ているわけで、それは到達目標とセットだ。それでないと国民の納得は得られない。項目の削除や付け加えではなく、だって項目は皆で議論してこれは必要だろうと決めたのだから、必ず入院患者を受け持たなきゃいけないという所を見直していただければと思う。それから制度設計した時にも大議論で、選択必修はどうかと言ったら猛反発をくらって必修になってしまった経緯がある。思い切った発言をさせていただけば、選択必修の科目は1つ以上ということでよいのでないか」
嘉山
「だからそこに優先度をつけて」
矢崎
「Aランクだけ考えて、Bランク、Cランクは変える必要ない」
嘉山
「重層化して必修にすればいいのじゃないか」
高久
「選択必修は1か2でいいんじゃないか」
武藤
「救急は3ヵ月じゃなくて6ヵ月にすべきだ」
高久
「それをして救急はもつか」
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