(速報)愛育病院に労基署が是正勧告
東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)が今月、所管の三田労働基準監督署から、医師など職員の労働条件に関して、36協定を締結していないことなどを理由に、労働基準法違反で是正勧告を受けていたことが分かった。最悪の場合、業務停止に追い込まれるという。同病院は、秋篠宮紀子様が悠仁親王を出産されるなど、条件の恵まれたセレブ病院として知られている。また、1999年には東京都から総合周産期母子医療センターの指定も受けている。他病院に比べて労働条件に恵まれた同病院さえ是正勧告を受けたことで、周産期医療界に激震が走っている。(熊田梨恵)
同病院に勤務する医師はこの問題について、次のように話している。「先週、労基署から呼び出されて是正勧告を受けたが、もとより労働基準法に準拠した働き方になっていない事は明らかで、36協定を結べばいいという話ではない。産科も新生児科も大幅に増員の必要があるが、それが簡単にできるならとっくの昔にそうしている。愛育病院はまだ恵まれている方だから、ほかの病院にはもっと厳しいはずだ。業務停止になれば、病棟閉鎖になる。厚生労働省は自分たちが何をやろうとしているのか、全く理解していない」
同病院は、1999年に東京都から総合周産期母子医療センターの指定を受けている。新生児集中治療管理室(NICU)や母体・胎児集中治療室(MFICU)を含む118床を有し、2007年度の分娩件数は約1750件。
なお、この他にもいくつかの病院が同様の勧告を受けたとの情報がある。新たな情報が入り次第、順次お伝えしていく。
総合周産期母子医療センターの設置病院が、労基署から是正勧告を受けたという事実はともかく、「最悪の場合、業務停止命令が出される」といいう報道内容が理解できません。
労働基準監督署は司法警察機関であり、法令(労基法)違反の嫌疑について送検することは出来ますが、業務停止などを命ずる権限はありません。また特別司法警察員である労働基準監督官(労基署の職員)は、他の官公署から捜査内容について問い合わせがあっても答えることありません。
すなわち同じ厚生労働省の中であっても、労働基準局(労基署)から医政局に何処の病院がどのような労基法違反で是正勧告したか、情報が流れることも原則無いはず(あってはならないこと)です。
ですので、36協定や時間外労働の賃金未払いという労基法違反をもって、その病院が業務停止される恐れがあるとの記事には、取材源の病院関係者などに何か誤解があるように思えます。
>法務業の末席様
ご指摘ありがとうございます。
まだ熊田が取材中で対応できないため
ご指摘の点について当事者たちの受け止め方であるとハッキリするよう
「業務停止命令が出される」の記述を
「業務停止に追い込まれる」と修正いたしました。