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愛育病院が労基署に改善報告

 36協定を締結していないことなどを理由に労働基準法違反で是正勧告を受けていた東京都港区の恩賜財団母子愛育会・愛育病院(中林正雄院長)は4月20日、所管の三田労働基準監督署に対し、改善内容について報告した。(熊田梨恵)

 同病院が今年1月20日に是正勧告を受けていた内容は、▽医師の時間外労働について36協定が締結されていなかった▽職員の時間外労働と休日労働が法定基準を超えていた▽時間外勤務の割増賃金の未払い―の3点。

 割増賃金については、これまでの時間外労働時間を遡って計算した上で、「病院全体の経営状況を考え、早い段階で対応する」(大西三善事務部長)とした。就業規則の修正が必要な部分については、役員会での話し合いが必要となるため、遅くとも3か月以内に対応するという。
 36協定については、4月17日に母子愛育会労組と締結済みで、同日中に病院から労基署に締結の報告がされていた。この協定には特別条項が付いているが、1か月当たりの時間外の労働時間数については、「多くの病院で結ばれている一般的な時間。組合との話し合いの中でのものなので、公表する理由はない」としている。

 また、同病院は、労基法を順守した場合に非常勤医2人での当直体制となる場合があることを懸念して、都に総合周産期母子医療センターの指定返上を打診していた。これに伴い、本日夕方にも都側に改善報告内容について伝える予定。

 同病院はこの4月、労基署の指導に従って勤務を組んだ。産婦人科医は12人で、当直ができるのは6人。非常勤医2人の体制になる日が10日ほどあった。新生児科医は5人で、1人の医師が月に7回程度の当直を担うという。中林院長は、4月6日に記者団に対し、産婦人科の時間外労働については「米国では60時間ぐらいなら容認しようという考えもあるので、それぐらいなら何とかなるのでは」、新生児科については「80時間ぐらいになっても仕方がないと思う」と話していた。


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