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勤務医対策で、「ドクターフィー」を導入か (下)

■「ドクターフィー」について

【藤原淳委員(日本医師会常任理事)】
 「診―2―1」(審議会での指摘事項)の説明の中、19ページなどで「ドクターフィー」についてこだわりなく言われていますけれども、実際に「ドクターフィー」というのは、日本において存在するのか。
 たぶん、公式には平成15年の3月28日でしたか、閣議決定(医療保険制度体系及び診療報酬体系に関する基本方針)で、その時に使われたのは(医療技術を評価する)「ドクターフィー的要素」、あるいは(医療機関のコストや機能などを評価する)「ホスピタルフィー的要素」、それ以外は、公式には「ドクターフィー」は使われていないし、現存しないんじゃないんですか? その辺のところ、いかがなんでしょうか。

【遠藤委員長】
 事務局、お願いします。

【佐藤課長】
 医療課長でございます。これ(審議会等)は、それぞれに所管をする局や課がありまして、私どもがすべてを承知してお答えしている訳ではないんですが、私どもの承知する限りでは先生のおっしゃる通りで、少なくとも保険局に関する限りでは、「ドクターフィー」と言った場合には、それぞれの検討会で言われているように、(医師に対する診療報酬の)「直接支払い」のことについて議論した訳ではないように思います。
 特に、DPCなどで「ドクターフィー的要素」、「ホスピタルフィー的要素」という言葉を使っておりまして、そのとき、「ドクターフィー」とか、「ホスピタルフィー」とは言っていなくて、必ず、「的要素」というニュアンスで使っていると理解しております。

【藤原委員】
 それぞれの会議で使われているので、それを使われたんだと思いますが、ただ私が最初に申し上げましたように、こだわりなく使われているので、そういう形になると皆さんはもう、「そういうものがあるんだ」という認識になられるということもありますので、そこのところを慎重に言葉を使っていただきたいと思った訳ですけれども。

【遠藤委員長】
 ま、こういう風に資料が出ていると、報告書が出ているということで読んだというだけの話だと理解していただければと思います。ほかにございますでしょうか。(しばらく沈黙が続く)

【佐藤課長】
 あの、先程、超スピードで説明しましたので、説明を落としてしまいましたけれども、31ページ。
 先程のDPCの議論の中でもちょっと意見が出ましたが、社会保障国民会議の最終報告(の8ページ)の中で、(線で)囲みましたところ(医療・介護費用のシミュレーション)は、極めて具体的に「医療費」とか、「介護費用」まで含めて、お金の面まで含めて検討し、いくつかの前提を置いて大胆に仮定し、長期シナリオを書いたという意味で、ちょっとご説明を補足しておいた方がいいかもしれません。

【西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)】
 今日、基本診療料の中の入院基本料について詳しい資料で説明していただいて、かなり整理できたんですが、片方で「非常に複雑だなあ」という思いがございます。
 また、入院基本料の「診―2―3」(基本診療料)の資料の中には、入院基本料として、「入院の際に行われる基本的な医学管理、看護、療養環境の提供を含む一連の費用」と書いてあるんですが、私たちも「何が含まれているのかな」と思ったときに、なかなかよく分からないので、その辺りの資料も一度整理して、議論の一つの基としていただければと思います。
 また今後、入院基本料について議論していくと思うのですが、論点整理等々とか、事務局で考えているスケジュール的なものとか、もし説明いただければと思います。

【遠藤委員長】
 事務局、何かありますか?

【佐藤課長】
今日、この時点ではまだ考えておりませんけれども、個々個別にご要望やご意見や、あるいはちょっと先走った話で恐縮ですが、検証部会のデータが出たり、前回は(主な施設基準の)届け出状況(昨年7月1日現在)などが出ましたので、今あるデータの範囲で、「入院基本料についてこういう論点が整理できるのではないか」、あるいは「こういう事実がはっきりしてきている」ということは、次回以降に資料を準備して、ご説明したいと思います。
 恐らくは、言うまでもないことですが、(診療行為の内容や傷病の状況などの実態を明らかにする)「社会医療診療行為別調査結果」が出てこないと分からない部分もあるにせよ、今あるデータの範囲でどこまでできるかということを夏ぐらいまでに、あらかたの論点案を整理したいと思います。

【遠藤委員長】
 はい、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。ほかに何か、ご意見やご質問、ございますでしょうか。ま、具体的な案件が出てきたということではありませんので、現状の説明ということになりますが、一目で見て「なかなか複雑だなあ」ということがある訳ですけれども、今後、これをどういう風にしていくかということを議論いただきたいと思います。
 それでは今後、事務局の方でのまとめもあるということですので、本日はこのような資料を頂いたということで、われわれの方が今度は宿題で、これをよく読んでおくということになると思います。ほかに何か、ご意見ございますでしょうか。藤原委員、どうぞ。

【藤原委員】
 一応、(本日の)議論は終了したと?

【遠藤委員長】
 はい。今、入院の話は審議しました。

(以下略。藤原委員が今後のスケジュールについて質問し、議論のペースが「少し遅い」とクレームを付けた上で、外来管理加算の見直しに関する議論を急ぐよう求めた)


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