「救急」「4疾病5事業」「副傷病」で議論―DPC評価分科会
■チーム医療の評価
[嶋森委員]
①医療の質を担保するため、看護師の横断的な役割があるので、認定看護師や専門看護師の配置などを評価してほしい。
②夜間の看護師の配置を評価してほしい。夜間は、医師や薬剤師が病棟にいない場合がある。
③退院調整など、看護師が地域連携に果たす役割を評価してほしい。
[西岡会長]
病棟の人員配置は、薬剤師をイメージしている。
[小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
先程の嶋森委員の発言に追加したい。「チーム医療」には2つの意味がある。
①病院全体を横断的にカバーするような褥瘡(じょくそう)対策のチームやNST(栄養サポートチーム)があるかどうか。
②夜間の薬剤師の配置は、別の範疇(はんちゅう)。むしろ、病棟で薬の管理をする薬剤師が常駐していることを評価してほしい。
■副傷病による評価
[西岡会長]
副傷病は難しい。
[小山委員]
「副傷病」の定義を決めておく必要がある。「面倒臭いから」という理由で副傷病名を入れない病院もある。副傷病名を何でもかんでも入れれば重症だということになる恐れがあるので、方策を考える必要がある。
[松田委員]
平均在院日数や、1日当たりの出来高換算の点数などに有意の効果があるような副傷病は抽出できるので、評価することは可能。何らかの形で、副傷病は評価した方がいい。
[西岡会長]
もう少し指標を出してもらえれば、データを取りやすくなる。
[池上委員]
副傷病の記入は、病院によってばらばら。副傷病の記入を徹底している病院と、そうでない病院とを一緒に分析しないで、データをスクリーニングすべき。副傷病を十分に記入しているという何らかの担保がある病院に限って分析してほしい。
[松田委員]
理想的にはその通り。では、「どういう病院で」という基準をつくるのは難しい。実際に、副傷病のデータを分析してみると、基本的には過小推計になる。評価の基準をかなり厳しく取った形でのデータ分析になるので、まずは、それで分析させてほしい。
[酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)]
どのような副傷病が対象になったのかが公表されるとすると、副傷病が増えた場合に、それは副傷病をオーバーに付けたのではなく、これまで隠れていた副傷病が出てくるという意味でも起こる。そのような影響も含めて考える必要がある。
[松田委員]
影響がある副傷病は、入院期間中に何らかの治療の対象になっている。それは、薬剤かもしれないし、検査かもしれない。そのようなものを検証するマスターが出ているので、酒巻先生が懸念されたことは、ある程度はクリアできる。
[酒巻委員]
検証可能なデータが含まれていることが前提になる。
[松田委員]
「EFファイル」を取っているので、かなり細かいところまで分析できる。
[西岡会長]
さらに議論を続けていきたい。
■がん診療連携拠点病院の評価
[西岡会長]
がん診療連携拠点病院には補助金が出ているので、無理ではないか。今回はパスしたいが、どうか。
(複数の委員がうなずいて了承)