慢性期医療の「質の評価」導入へ議論開始―中医協分科会
事務局は、今年度の同分科会での協議事項の一つに、医療の質の評価への対応を挙げている。療養病棟で記載している「治療・ケアの内容の評価表」を使うことも視野に、次回の診療報酬改定で、慢性期医療の質の評価を導入することを検討していく方針だ。
同分科会の事務局を担う厚労省保健局医療課は、10年度診療報酬改定の議論の素材とするため、すでに「2008年度慢性期入院医療の包括評価に関する調査」を実施。国内の病院700か所と有床診療所650か所に対し、患者の特性やレセプトなどについて調査しており、6月中にも開く予定の次回分科会に結果を提示するとした。
ただ、この調査は医療機関を無作為で抽出しているため、前回調査と同じ病院が対象に上がってきているとは限らない。池上座長は、「同じ医療機関で継続的に変化を見ないと患者の特性が変わっただけということになるので、次回報告して頂くときには同じ病院の変化を中心に」と要望。これに対し、事務局は「データを見て同じ病院があればそれを解析できるようにする」と答えた。
また、健康保険組合連合会や日本慢性期医療協会が実施した調査も次回以降に提出される。
このほか、今回のディスカッションでは、委員から分科会で扱う「慢性期医療」の範囲について、療養病床だけを対象に調査するのは現状にそぐわないとする意見が多く出た。一般病床に入院する慢性期の患者や介護施設に入所する医療の必要な患者、認知症や精神病の患者についてどう考えるかなど、同分科会で議論する範囲について、基本問題小委での審議を求めることとした。
(この記事へのコメントはこちらへ)