中央社会保険医療協議会―09年度第6回(6月10日)
総会の議題は、▽医薬品の薬価収載 ▽薬価調査及び特定保険医療材料価格調査 ▽その他(日本経済新聞6月5日付の報道について)―の3項目。
基本問題小委員会の議題は、▽基本診療料 ▽その他(慢性期入院医療の包括評価調査分科会の報告)―の2項目。
■ 総会
冒頭、遠藤会長から専門委員と公益委員の選任について報告があった。専門委員の渡辺自修氏が退任し、後任に松谷高顕氏(東邦ホールディングス株式会社代表取締役会長)が発令されたほか、公益委員の前田雅英氏の後任として森田朗氏(東京大大学院教授)が就任することについて国会の同意が得られたことを報告した。
公益委員の枠は、前田氏の再任案が2月23日の参院本会議で否決されたため、1人欠員の状態が続いていた。
続いて、松谷高顕委員、森田朗委員、小林剛委員(全国健康保険協会理事長)、伊藤文朗委員(愛知県津島市長)が所属する委員会、部会について承認を得た。
1. 医薬品の薬価収載
新薬9成分19品目を6月19日付で薬価収載することを了承した。
通例は特段の意見がなく承認される薬価収載だが、この日は約30分間にわたる議論が続いた。やり玉に上がったのは、ARBと利尿剤の配合剤「ミコンビ配合錠」(日本ベーリンガーインゲルハイム)と、合成抗菌剤「クラビット錠」(第一三共)。
配合剤について小林剛委員(全国健康保険協会理事長)が「ジェネリックの使用促進を阻害する」などと指摘。藤原淳委員(日本医師会常任理事)が議論に拍車を掛けた。
遠藤会長は「非常に重要なご指摘」と受け止め、配合剤がこれまでに新薬として承認された数などを明らかにするよう保険局医療課の磯部総一郎薬剤管理官に指示した。
※ 議論の内容は、こちらをご覧ください。
2. 薬価調査及び特定保険医療材料価格調査
厚労省が示した「平成21年度に実施する医薬品価格調査(薬価本調査)案」と、「平成21年度に実施予定のする特定保険医療材料価格調査(案)」を了承した。
質疑で、住友雅人委員(日本歯科大生命歯学部教授・学部長)が有効回答率が少ないことを指摘。医政局経済課長が有効回収率を上げるよう理解を求めていくことなどを確認した。
3. 日本経済新聞(6月5日付)の報道について
牛丸聡委員(早稲田大政治経済学術院教授)が「6月5日の日本経済新聞の1面に、診療報酬に関する厚生労働省の方針という記事があって、それを読んで、『あれ?』と思った。記事に対する厚生労働省のご見解をお聞かせ願いたい」と求めた。
保険局医療課の佐藤敏信課長は、「見出しは、75歳以上『別建て』廃止へ、という風に書かれていたようだが、現時点で厚生労働省として、75歳以上に適用される診療報酬を廃止する方針を決定した事実はないし、中医協の場でも議論していない。内部的にも検討していないし、私どもも驚いた」などと回答した。