次期改定で、脳卒中患者らの追い出しが加速?
■ 「長く入院させた方が収入になることへの問題意識」 ― 厚労省
[熊本一朗委員(鹿児島大医療情報管理学教授)]
5パーセンタイル値はなくなるのか。5パーセンタイルでは解決できないから、このような提案なのか。
[厚労省保険局医療課・長谷川学課長補佐]
そこは議論していただきたい。ただ、今回の提案ならば、それも含めて、ある程度評価できるようになると考えている。
(宇都宮啓企画官、挙手)
[西岡分科会長]
どうぞ、企画官。
[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
先ほどの議論、(入院期間の)25パーセンタイル値でも5パーセンタイル値でも、(医療資源の投入量が)追いつかない入院初期に着目されているようだが、別紙「2─①」をご覧いただきたい。
左側の入院初期に(DPC点数が医療資源の投入量に)追いつかないことも問題だが、むしろ右側の、ある程度期間が過ぎた方に、出来高よりも高い点数が設定されている。
これは、現場からよく聞かれることだが、「長く入院させた方が収入になるじゃないか」ということに対する問題意識もある。左側(入院初期)の(医療資源の投入量がDPC点数よりも)高い部分だけではなく、右側の低い部分も含めてご検討いただきたい。
(他の委員、大きくうなずく。しばらく沈黙)
▼ 重大な種明かし。入院初期の点数を現在よりプラスにしても入院中期の点数を引き下げれば、入院医療費の総額を削減できる。しかも、平均在院日数の短縮も狙える。「調整係数」の廃止によって失われる保証部分を補填したという説明もできる。いわば"一石三鳥"ともいえるアイデア。「救急患者の受け入れを進めるために入院初期の点数を手厚くした」とメディアが書いてくれればなお良し。
[齊藤委員]
そうすると、疾患によって(点数の)傾斜がまちまちだから、それに併せて傾斜配分のスロープを変えていこうと......。
(保険局医療課の佐藤敏信課長、大きく何度もうなずく)
そういう考え方、だろうか?
[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
はい。おっしゃる通り。これまでの2種類(の設定方法)ではカバーするのが難しかったので、例えば3種類、あるいは(短期入院の場合の設定方法である)5パーセンタイルを残すのであれば4種類になる。
そうすることによって、もう少し実情に近くなる。