若手研究者のやる気を失わせた 鈴木寛・文科副大臣
「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本が世界一になれたのを、たまたまと考えるか、一定の確率で起こりうることと考えるか。野球の場合は、世界一になっても誰もまぐれだとは思わない。それは、それだけのピラミッドの裾野があって、年齢が上がるとともに数が絞られていく、その頂点にあの代表がいるからだ。
科学研究にも、このような高校生段階で10万人ほどの候補生がいるようなピラミッド構造を作ることが必要でないか。これまでの科学振興予算は、そのピラミッド構造を考えることなしに、思いつきでバラバラに付けられていた。このために継続性がなく、ポスドクが大量にあふれるような状況になってしまった。各年齢層ごとに切れ目なく予算を投入し、年齢が上がるごとに支える人数を選抜をかけて徐々に減らしていく。ドロップアウトした人は、プロデュースするとか伝えるとか支える側に回る、そんな仕組みを作り上げたい。科学技術の場合、WBCだけが突然あるようなものなので、甲子園やインターハイにあたるものも必要だろう。既に来年度予算にある程度の要求はしていて、再来年度要求で一通りの道具立てがそろうような時間軸で考えている。
この時に選抜をどうやってやるのかという科学も併せて発展を図っていきたい。選抜の科学がきちんとしていれば、今回の最先端研究開発支援プログラムのような惨状は二度と起きないはずだ」