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「医学部の教育体制整備を観点に、予算要求した」-鈴木寛・文科副大臣

 文部科学省の鈴木寛副大臣は28日、同省の来年度予算概算要求で医療に関する分野について、「大事なことは教員をはじめ、教育体制を整えていくという事。その観点で予算要求をした」と述べ、特に医学部の教官の増員などへの重点配分を考えているとした。(熊田梨恵)

 同省の来年度予算の概算要求では、 国立大学法人運営費交付金に今年度予算を13億円上回る1兆1708億円を計上しており、医学部の教育環境整備や授業料免除枠の拡大、救急や周産期医療に関する診療部門への支援を行うとしている。国立大学の運営費交付金は2004年度の法人化以降、毎年削減されており、09年度には国立大学全体で04年度に比べて約377億円減っていた。このため、国立大学医学部長会議が「大学病院の運営を維持できない」などとして、交付金の増額を求めていた
 このほか、私立大学等経常費補助では医師不足の解消などに取り組む大学などへの支援として、今年度を4億円上回る3222億円を充てている。マニフェスト関連で、医学部増員に伴う教育環境整備などについては、予算編成の過程で検討するとして金額を示していない。

 鈴木副大臣は、大学病院は救急や産科、小児科、外科など4疾病5事業にかかわる医療を担い、公的病院などもサポートする地域医療の"最後の砦"とした上で、「これが瀕死の重傷。何とか支えて立て直していかないといけない」と述べた。診療報酬のマイナス改定が続いたことや、国立大学運営費交付金が削減されてきたことを挙げ、「これを戻さないといけない。特に人。人材確保のために人件費を確保しないといけない。これが喫緊の課題」とした。
 また、「高齢化が進展するから、10年後には"医療崩壊"ではなくて"医療破壊"されてしまうぐらい医師不足が深刻化、激化する。2020年の患者当たり医師数は都会においても今の8割に、つまり2割減になる。今よりさらに患者当たり医師数が減る」と述べ、今から医師養成の体制を整備していく必要があるとした。
 


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