必要なワクチンの定期接種、実現しないのはなぜ?-議員と患者会が勉強会
[薗部氏、武内氏]
全然問題ないです。
[小池議員]
それぐらいは目をつぶる、というわけではないけども...
[薗部氏]
世界の何億人が打ってその安全性が立証されているわけですからね。ワクチンに関しては他の薬と違って、民族差というのはほとんどないんです。インフルエンザワクチンに関しては怖いとおっしゃられましたけど、そんな強い副作用が出るとは思いません。私の今までのいろんな研究から言えばそうです。局所反応が強いというのは分かります。
■繊維の欠片入ってたらダメなのか
[武内氏]
ぜひご理解いただきたいのは、ヒブワクチンが供給不足になっていることの背景です。溶かす液にちょっと繊維が混じるとかで国家検定を通らないということでメーカーが、言い方は悪いですがびびってしまって、そこにすごくお金を投資してやっておられるというのが現実になっていると。でも溶かす液に、服の繊維のかけらが空気中に漂っているのが混じり込んだのが問題だという、そんなことは、全く本質的ではなくて、欧米では関係ない問題。でもそれが日本では通らない理由になっている。病気にかかることとどっちが大事だということははっきりしている。メーカーも頑張ってくれているので、それを待つことと併せて、今は緊急的に入れるということと、何が問題なんだ、というところを強く言いたいと思う。
[田中代表]
供給不足の大きな理由には、国が定期接種を全員を打つというスタンスを示さないということもあります。メーカーも接種率が何%ぐらいだろうということでものを準備していくしかない。それに合わせてやったら需要の方が高くなり、現在の供給不足が起こっている。メーカーも日本側がはっきり定期接種にすると言えば、もっと本気で動けると仰って下さった。そこが見えないのに企業も投資しても戻ってくるか分からないものには投資できない。これは国家レベルの強い指導力が必要なんだと思う。ワクチン予防接種に関しては特にそうなんだと感じました。
[薗部氏]
ポリオの大流行の時に、古井(喜實)厚生大臣が緊急輸入して、あっという間に病気をなくしましたね。そういう時に、国や国民みんなが望んでいるだというのがあれば。そういう陳謝している人に全部責任がかかって追及されるから厳しくやるしかないので、みんなが応援しているんだという姿勢が示されれば審査基準も変わってくると思うので、そういうこともぜひ含めてご努力頂ければありがたい。
■厚労省は現場を知らない、審議会は御用学者ばかり
[下田あつこ参院議員(民主)]
貴重なお時間を共有して頂いているので、慎み深く黙っていようと思いましたが...。45年間、私の仕事の関係上厚生労働省に通わせて頂いておりますが。第1点、現場を知らない、専門家ではない職員がほとんどだということです。第2番目、「なんとかかんとか審議会」は最初に予算ありきで決まったものを通さなければならないので、ただひたすら「御用商人」じゃないけど、「御用学者」を呼んで、それで通すと。3番目、予算を通すのは国会で、私どもです。ただ、私どもがあまりに幅が広い行政を全部にわたって見るのは物理的に無理です。が、極めて男社会でありまして、医療、介護、子育などなどについては大変いろんな意味で、脇に置かれてきたというのが事実です。特に今の執行部に対しても専門資格もお持ちですけども、やっぱり無理なんです。「大臣・副大臣・政務官」のスタッフだけでは、すべてオールマイティーにというのは不勉強という意味ではなくて、無理です。これをこういう機会に専門家の先生にお出まし願ってひたすら謙虚に聞くということが今の執行部にとっても大事です。エビデンスのないことをしてはなりません。それがお願いです。以上です。
[高畑事務局長]
確かにこの間、新型インフルエンザワクチンにつきましても、先々週ですか、官僚が妊婦さんも一回打ちで十分だというというようなたたき台を出して、専門家の意見交換会の前に新聞報道が出たというような出来事がありましたけども。今回、週明けに足立(信也)政務官がもう一度別の専門家を招いて交えて意見交換会をエビデンスに基づいて議論して頂いたという新たな動きというものも政権交代の中で生まれているかと思います。ただ物理的に先生方が非常にきついということも傍から見ていても感じられるところでございますので、そういったことを支えて頂けるような体制づくりも考えて頂ければ、我々も頑張れるかなという風に感じております。
(以下略)
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