文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

「誘導するデータを厚労省は出してはいかん」 ─ 実調めぐり火花

■ 「誘導するようなデータを出してはいかんよ」 ─ 嘉山委員
 

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 あの......、口頭の説明でしたので、私も100%理解しているわけでは......、安達委員がおっしゃっていることをですね、100%理解したわけではなんですけど......。

 前回のこの場で申し上げました通り、私どもも「医療経済実態調査」の分析をこの場で説明したいと、我々の考え方もご説明したいというふうに思っておりますので、その席で、ただ今、安達委員がご指摘になったことも含めて......。ちょっと、詳細にもう一度ご説明をいただかないと、よく理解できないもんですから......。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 そうですね、分かりました。あの......、突然の......、あれですので......。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 まず、事務局(保険局医療課)が(メモを)控えていると思うし、私が申し上げていることは分かっていただけると思いますが、私は地域の医師会のメンバーの皆さんの実態の印象を申し上げました。
 しかし、これは印象だけでございます。一方、実調(医療経済実態調査)というのは、きちっと計数処理をしたエビデンスとしてのデータでございます。
 それについて、私はまずデータ集積のところでバイアスがかかっている可能性が高いのではないかということをご指摘させていただきました。しかし、これも印象でございます。推論でございます。

 ですから、それをエビデンスとして出す方法はあるということを今、ご説明したわけでございますので、これをやっていただければ、私が申し上げたことが合っているのかどうかということが出てまいります。
 出てきた数字が違っているんなら、私が申し上げていることが間違っているので、そこの所をはっきりさせていただいたほうがいいということを申し上げたわけでございます。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 よろしいですか?

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 はい。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 そうしましたらですね......。ただ、少し中身について......、趣旨はよく分かったんですが、中身について十分ちょっと理解できない所がありますので、検証の仕方についてですね......。
 ということであれば、一度、「こういう考え方をお持ちだ」ということをお聞きしましたので、どういうことをしたいのかを、問題意識も含めてですね、文書にして提出していただいて、それを審議するという形にしたほうがよろしいような気がいたしますが、いかがですか? ご趣旨は分かりました。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 はい。文書にしたほうがよろしいのであれば、次回でもよろしいでしょうか?

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 出させていただきます。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 会長......。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 嘉山委員、どうぞ。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 私は病院協会とか、そういうのでないので、何を言いたかったのかというとですね、外口(保険)局長が医政局長の時に、医師がまだ......。
 皆さん、昨年を思い出してください。昨年の5月まで、日本ではまだ、厚生省は「医者が余っている」と言っていたんですよ。どうしてそういう印象が国民にできたかと言えば、こういうデータに基づいてみんな印象付けられたんですよ。

 私が言いたいことは、今日これを出したのは、例えば(開業医の年収に含まれていない)「院長退職引当金」というのは全然書いていないので、これは非常にフェアではない。物事を判断する上で。この協議会がですね、間違った判断を下す可能性があるので、これから佐藤課長には、「ちゃんと判断できるようなきちんとしたデータを出してほしい」という趣旨です。

 外口局長が医政局長の時に、厚生労働省から出てきた医師の勤労時間は47時間です。今日、出てきたようなあんな数字は出てきていません。ですから、白川委員もこの辺でもう頭を切り換えて、自分の損得ではなくて、国民のために実態をちゃんと把握して、それで議論するという姿勢を取っていただきたいと思って、こういうデータを出したんです。中身がうんぬん、ではありません。会長、そこはご理解願いたいと思います。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 そういうご趣旨だということは分かります。ただ、1点だけ申し上げますと、「医療経済実態調査」の中で、「一般診療所・個人」というのがありまして、その中で損益差額の所ですけれども、注釈の中に、「個人立の一般診療所の損益差額からは、開設者の報酬となる部分以外に、建物、設備について、現存物の価値以上の改善を行うための内部資金に充てられることが考えられる」ということが書かれている。それでは十分ではないということですか。

[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
 退職金が書いてませんね。退職金は書く必要があると常識的に思うんですが。ですから、「何かモノを誘導するようなデータを厚生労働省は出してはいかんよ」ということを言っているんです。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 これについて、何か1号(支払)側、ご意見ありますか。

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 じゃ、よろしいですか。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 どうぞ。

[白川修二委員(健保連常務理事)]
 別に......、私、この(日医の)資料の中身について意見を言うつもりはございません。これは2年前に日本医師会が、「診療所の開業医と(病院)勤務医の所得差というのは医療経済実態調査ほど開いていないんだよ」と言うときに使った資料と承知しております。
 ですから、この中身についてうんぬんするというつもりはございません。いろいろなご意見があるでしょうから、それは機会を見て、病院協会、歯科医師会も資料を出されるということですので、我々としても意見を申し上げたい、こう言っているだけの話なんですが。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい......、分かりました。この議論、もう延々と続いてきた議論でありますし、これぐらいにしていただいて、そういう意味で、(今回の実調から)同じような会計基準を採る医療法人を取ったわけですが、先ほど安達委員から「医療法人は診療所を代表していないのではないか」という趣旨の話があって、その検証を要求されている。こういう道筋ですので。今後の議論にしたいと思います......。はい、渡辺委員、どうぞ。

[渡辺三雄委員(日本歯科医師会常務理事)]
 今後、それを行うときにですね、できましたら、これはあくまで平均値だけなんですよね。この分布をですね、特に収支差額等もろもろなんですが、その分布を出していただきますと、本当に平均値が代表しているのかどうかという姿が見えてくると思いますので......。(遠藤会長が発言をさえぎる)

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 分布は出していませんが、中央値については、いくつかの指標については出しています。当然、そういうことが議論になるだろうと思いましたので、中央値も出すように指示してありますので、既に計算はある程度進んでいると思います。いずれ、それも出していただくことになります。
 えーと......、それではですね、事務局(保険局医療課)から(初・再診料の)資料が出ていますので、それについてもし説明が必要であれば、簡略にお願いしたいと思います。(以下略)

 ▼ ダラダラした資料説明への批判を受け、かなり簡潔に説明するようになった。しかし、それでも約10分間の説明が続き、その後、初・再診料の議論に入った。

 
 
 (この記事へのコメントはこちら

  【目次】
 P2 → 注目される西澤委員のスタンス
 P3 → 「実態と離れている」 ─ 嘉山委員
 P4 → 「日医としては勤務医の給与が低いと思っている」 ─ 安達委員
 P5 → 「回収のバイアスがあるのではないか」 ─ 安達委員
 P6 → 「平均値より上にたくさんのプロットが落ちるのでは」 ─ 安達委員
 P7 → 「2号側全体で統一はなかなか難しい」 ─ 西澤委員
 P8 → 「誘導するようなデータを出してはいかんよ」 ─ 嘉山委員

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
loading ...
月別インデックス