病院と診療所の外来は「同一の医療サービス」? ─ 再診料の議論開始
■ 「低いほうを高いほうに合わせる」 ─ 鈴木委員
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
(初・再診料について厚労省が示した)「論点」については、モノによってはこのレベルで書いても自ずと議論する内容がもう絞られているものと、もう少し具体的に書いていただかないと内容が分からないものがあると思います。
第4 論点ただまあ......、今回の「論点」については、この3つの「論点」だけでいいかどうかは別として、まあ、比較的、「読めば何となく分かるかな」という感じがします。
1 病院と診療所の役割分担と初・再診料における評価について、どう考えるか。
2 外来管理加算について、診療報酬上の評価をどう考えるか。
3 各診療科が担う役割と、初・再診料における評価について、どう考えるか。
「病院と診療所の役割分担と初・再診料における評価」ということになりますと、初診料については(06年度改定で)同額にしたわけですが、再診料については差があるわけで、それはどうなのかということがたぶん書いてある。
「各診療科の初・再診料」については、今はすべて各診療科が同じなんですが、それでいいのかどうかという問題をここではたぶん言わんとしている。
「外来管理加算」については、検証部会等でも問題点も指摘されておりますので、今後どうするかということを議論したらどうかという趣旨だと私は理解したわけですが、もちろん、それを制約するものではありませんから、もっと幅広い視点からご議論いただいても構わないと思います。西澤委員、どうぞ。(中略)
▼ 初・再診料に含まれる「人的・物的コスト」が詳しく分かるような資料の提供を要望した。これまでと違うのは、「私どもで調査したものがあるので出したい」と述べたこと。次回以降、初・再診料に関するコスト調査の結果を提出することを遠藤会長が了承した。何か匂う。シナリオ通りか。
[鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、日本医療法人協会副会長)]
私の病院の外来は毎月赤字でございます。外来は、病院の場合は収支が良くありません。ですから、(病院の外来医師の配置基準など)病院独特の縛りみたいなものをどのようにしていったらいいか。西澤先生のご意見も含めて検討していただければと思います。
それともう1つ、私が開業医の先生や病院の先生などに聞いてみると、患者さんの自己負担が高くなっていますから、コストに対する意識も敏感になっています。1つは、病院と診療所の再診料に差があるということで、厚労省の意向とは逆にですね、安いほうに行くということも起こっていると先生方がおっしゃっています。
ですから、病院の先生は病院から診療所に紹介しても、(再診料が)安い病院に戻ってきてしまう。あるいは、診療所の先生から言わせると、より安い病院に行ってしまうという現象が起きている。ということは、統計を取ったわけではありませんが、そういうお話を聞いておりますので、そういう意味では、再診料に差があるというのは問題ではないかと思う。
一方では、全体的として医療費が安いわけですから、もし、「同一」という方向で改定するのであれば、低いほうを高いほうに合わせるという考え方が1つあるのではないかと思います。
▼ 今回の中医協人事で鈴木委員は茨城県医師会の推薦で選ばれたが、日本医療法人協会の副会長も務めている。これまで3回の審議では、中小病院の立場からの発言が多い。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
はい、ありがとうございます。安達委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 同一の医療サービスといえるか
P3 → 初・再診料で3つの論点を示す ─ 厚労省
P4 → 「低いほうを高いほうに合わせる」 ─ 鈴木委員
P5 → 「病院の再診料が100点でも病院集中は止まらない」 ─ 安達委員
P6 → 「同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金」 ─ 白川委員
P7 → 「格差の理由が議論の出発点として必要」 ─ 安達委員