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病院と診療所の外来は「同一の医療サービス」? ─ 再診料の議論開始

■ 「病院の再診料が100点でも病院集中は止まらない」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 すみません、まず今の鈴木先生のお話に1つコメントさせていただきたい。再診料は病院のほうが安いので......。つまり、個人診療所と病院の外来再診料に点数差を付けたのは、医療機関のビヘイビアのインセンティブを付けようとした。
 つまり、「病院はあまり外来を頑張っても点数にもなりませんよ、だから入院に特化しなさい」と。その代わり、「個人診療所は外来で頑張りなさい」という意味合いがあったことは以前からお聞きします。

 ところが、患者さんのビヘイビアは逆になるということで、一時、私ども......、これは日本医師会の(社会保険)診療報酬検討委員会としてもですが、患者さんの選択によって、全く最初に期待したものと逆に出てしまうことがあるんだというふうに理解しておりました。
 ところが、実はよくよく考えてみますと......。(診療所)71点と(病院)60点ですね、今、110円(の差)ですね。3割負担しても33円ですね。この差で、個人医療機関へ行くか、病院へ行くかということは恐らく患者さんのビヘイビアにはないんだと思っています。

 逆に、病院の外来再診料が100点だったとしても、やはり患者さん方の病院集中は止まらないのではないか。患者さんはむしろ「入院登録」というつもりで病院外来を選択されているケースが圧倒的に多いのだろう。これも、都市と郡部で違うんですが、都市部は特にそうだろうということがあるだろうと思います。(中略)

 ▼ 開設時の施設整備費などの物的コストについて確認した。佐藤課長は、「病院は基本的に入院という流れで進んできたと承知するので、むしろ初・再診料よりも入院基本料に(物的)コストが積まれている」と述べ、個人診療所の場合は初・再診料に含まれ、病院の場合は入院基本料に含まれるとした。この後、嘉山委員が入院基本料や外来管理加算などについて4項目の質問をぶつけ、医療課との間で激しいやり取りがあった。議論が落ち着いたところで白川委員が挙手。


  【目次】
 P2 → 同一の医療サービスといえるか
 P3 → 初・再診料で3つの論点を示す ─ 厚労省
 P4 → 「低いほうを高いほうに合わせる」 ─ 鈴木委員
 P5 → 「病院の再診料が100点でも病院集中は止まらない」 ─ 安達委員
 P6 → 「同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金」 ─ 白川委員
 P7 → 「格差の理由が議論の出発点として必要」 ─ 安達委員

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