診療報酬は破綻している ~『現場協議会より』
そして、日本のいろんなことを考える時に、日本の特殊性をもう一つこれだけは皆さんに分かってもらいたい。ヨーロッパと比べる、アメリカと比べる、どこと比べると色々な評論をする人がいる。混合診療の話も出てくる。キャピタルコストの話も、この後の議論で出ると思う。
その時に、これだけ分かっていてほしい。日本が世界でとびきり違うところは、日本の病院のほぼ7割が民間病院ということ。しかも、日本のトータルの救急患者受け入れの過半数が実は民間病院。その民間病院には、一般会計からの繰り入れはゼロ。それで何とかこの安い医療費をキープしているのが実態。これを公的医療に変えたら医療費は倍になる。
最後にどうしてほしいか述べる。まず「労働を中心とする福祉型社会」というのを、病院で考えてみると、地域の基幹病院において、自民党政権下では、ハッキリ言うと補助金頼りの病院経営とか要するにバラマキで時々こうやって飴玉を与える形で何とかごまかしごまかしやってきた。このへんてこりんなことから、適正な診療報酬による病院経営への転換が絶対必要であると思う。
民主党のマニフェストが謳っているように、地域医療を守る基幹病院の入院については、診療報酬の大幅な増額を一刻も早く行う必要がある。そうでないと、我々も来年潰れてしまうのでぜひお願いをしたい。
我々は難しいことを言ってないし、大金持ちになろうと誰も思っていない。めざしているのは「労働を中心とする福祉型社会」だ。