軽症患者は勤務医の敵? ─ 11月27日の中医協
■ 「不安を看護師がコーディネートできる」 ─ 坂本委員
[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
論点2(医師の説明への協力)ですが、私も勝村委員がおっしゃったことがすごくよく分かります。スライド27(業務の内容ごとの負担感)を見ていただきたいと思うのですが、ドクターに直接すべて行ってしまうと、ドクターが大変疲弊しているというのは私も病院に勤務していてよく分かっているんですね。本当に過労死する......、「先生方いつ休んでいるんだろう」と思うほど働いています。
そういう意味からすると、このスライドのこれ(負担)をできるだけ取ってあげないといけないと思うんです。その方策をやはり出さないといけないということと、この中に看護師というのを考えているのか、療養生活上の説明とか、患者の退院先の調整、ソーシャルワーカーさんも入るんでしょうけど、こういうものは全部先生方に聞きながらも含めてですね、やっぱり違う職種にやってもらわなければ、なんでもかんでもやっているドクターはやっぱり疲弊してしまいますよね。そういう所を、方策を取るべきだと思います。
▼ 看護師の権限範囲に関連する。ところで日本看護協会は以前、「医師の業務負担を軽減する」という理由には否定的で、むしろ「看護の専門性」という観点から権限拡大を主張する傾向があったが、最近は変わったのだろうか。08年4月に開催された厚労省の「看護基礎教育のあり方に関する懇談会」で井部俊子氏(聖路加看護大学学長)は、「マスコミではよく『白衣の天使』と書きますが、『白衣の天使』と言われると侮辱されているという感じがしました」と発言したことをふと思い出した。
それから、論点2の「患者さんや家族が説明を求めたときに時間外はどうなのか」という、短絡的にこれ(文章)を(読み)取るとですね、やっぱり私は勝村委員がおっしゃるように、本当に勤務しすぎて患者さんの父親が来てやっと夕方に時間が空いた時に先生にお話を聞くということは病院の先生方は重々承知でその時間を取ってお話を聴いています。
しかしですね、そこに行くまでの過程で、もう少し何らかの形でその家族は何が聞きたいのか、心配されているのかというような第2段階に......。先生の所に突然行くのではなくて、いろんな状況で少しコーディネートできるんじゃないかと思います。そういうことも含めて不安を取りながら、ドクターが本当にドクターとしてやらなければいけないことはやっぱり......、この救急のこともそうですがやっていただかなければいけないと思っています。
そういう意味ではこの27ページをどのように軽減させていくかということが、やはりきちっとそれをやっていくのが、私は......、まずやらなくちゃいけないんじゃないかと思っています。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
はい、嘉山委員。
【目次】
P2 → 「慎重にしてほしい」 ─ 勝村委員(支払側)
P3 → 「医療資源を有効に使うことを考えて」 ─ 西澤委員(診療側)
P4 → 「土日とか9時に来られるとやっぱり......」 ─ 邉見委員(診療側)
P5 → 「軽症者は自己負担を払ってくださいと読める」 ─ 遠藤会長
P6 → 「看護師やMSWが『話を聴く』具体策を」 ─ 中島委員(支払側)
P7 → 「不安を看護師がコーディネートできる」 ─ 坂本専門委員
P8 → 「形にしないと放埒な社会をつくることになる」 ─ 嘉山委員(診療側)
P9 → 「1号と2号、一緒に何か緩和策を」 ─ 北村委員(支払側)