軽症患者は勤務医の敵? ─ 11月27日の中医協
■ 「形にしないと放埒な社会をつくることになる」 ─ 嘉山委員
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
うちでは論点の2番と3番はきちんと対応しています。
○ 論点それはですね、今皆さんがおっしゃったように医療におけるソフト、医師、看護師の数が足りないですが、そこは一方的なことを言っても始まらないので、ある程度、看護の部分で坂本委員がおっしゃったようにですね、ある程度の歯止めをかけないと......。
1 病院勤務医の勤務負担軽減のために、医療機関が勤務医の勤務負担状況を把握し、勤務医負担軽減策を作成・周知し、適切な方策を取れるように診療報酬上の工夫を行うことについて、どう考えるか。
2 病院勤務医の勤務負担軽減のために、複数の家族が説明を求めた場合や、患者側の都合による時間外の病状説明について、患者や家族に協力をお願いする方策を取ることについてどう考えるか。
3 病院勤務医の勤務負担軽減のために、軽症の患者が自己都合(仕事等)により救急病院等を時間外に受診した場合について、患者に協力をお願いする方策を取ることについてどう考えるか。
つまり、看護師にしても医師にしても過労しすぎるとですね、今度は適切な医療を受ける患者さんの権利を奪うことになります。それを一方的に進めていると......。
勝村さんのおっしゃることはもっともです。例えば、自分がお腹が痛い時にそれが重症なのか軽症なのか分からない。だから病院に行くのはいいんですけど、ただもうちょっと大人になって、赤ちゃんじゃないんだから。「このぐらいだったらどうなんだろう」ということをお互いに勉強し合うことが必要です。
うちではですね、(論点)3番の軽症の場合、山形大学の医者はすごく優しいのでほとんど取ってませんが、一応8400円取ってます。取ってるというか、掲げています。でもほとんど取っていません。それによって患者さんも皆大変だから、お互いが思いやりを持つようになりました。
「むやみやたら」というのを患者さんも考えるし医師も考えるということですが、2番、3番の論点はきちんとある程度形にしないと放埒な社会をつくることになりますので、ある程度のことはやっていただきたい。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
嘉山委員、ちょっと質問ですが、8400円取るということをしているわけですが、「軽症」というのをどういう......
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
すべて各講座で、病気によって違いますので、各科によって文章化して......。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
「こういう病気であれば」とか、そういうふうに書いてある? なるほどそういうことですか、分かりました。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
ですから、「緊急に命に関係するようなものであれば」とかですね、外科系であればですね......
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
なるほど、分かりました。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
あと、インターフェロンなんかですと、毎日打たなきゃいけない患者さんがいますので、日曜日でも打たなきゃいけない。救急にはなっちゃいますけど、その場合には一銭も取らない。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
なるほど。
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
要するに、病気中心で医療をやる。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
なるほど、分かりました。(中略) 北村委員、どうぞ。
【目次】
P2 → 「慎重にしてほしい」 ─ 勝村委員(支払側)
P3 → 「医療資源を有効に使うことを考えて」 ─ 西澤委員(診療側)
P4 → 「土日とか9時に来られるとやっぱり......」 ─ 邉見委員(診療側)
P5 → 「軽症者は自己負担を払ってくださいと読める」 ─ 遠藤会長
P6 → 「看護師やMSWが『話を聴く』具体策を」 ─ 中島委員(支払側)
P7 → 「不安を看護師がコーディネートできる」 ─ 坂本専門委員
P8 → 「形にしないと放埒な社会をつくることになる」 ─ 嘉山委員(診療側)
P9 → 「1号と2号、一緒に何か緩和策を」 ─ 北村委員(支払側)