大学病院は限界 1127中医協・嘉山委員発表
不採算になりがちな難しい医療を大学が全部引き受けてきたのは先ほど説明した通り。
我々特定機能病院は全体の4.6%のお金でやっていることになっている。しかし実際は1.57兆円ではない。
なぜなら医師の人件費は医療費からは1円も出ていないから。そこを何で補っていたかというと文部科学省が頑張って補助金をつけていた。たとえば東京大学病院の医療費の半分近くは補助金だった。
国立大学法人になったので今その補助金は来ない。なので今、大学がほとんど崩壊している。これはある大学のお金だが、医師の人件費は医療費から払われていないということを皆さん認識していただきたい。
これが法人会計。この時は、まだ文部科学省が何とか大学病院の面倒を見ていた。
04年度の交付金は584億円あった。ところが09年度になると、この交付金が207億円に減った。先ほど佐藤課長が大学は患者数が増えているという話をされたけど、その背景にこういうものがあるんだという説明が抜けていた。法人化された時に2%ずつ診療収入を増やしなさい、その代わり交付金を減らすよということだった。だから働けど働けどわが暮らし楽にならずで、じっと手を見ることになっている。手術件数を増やして、病院の収入を増やしても、それ以上に交付金が減る。
私立大学も私学助成金が全体の1.1%しかない。つまり大学病院は、国立も私立ももう死んでいる。