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植民地か独立か それが問題だ NC検討チームの議論2


 仙谷
「土屋先生(国立がんセンター中央病院院長)、近藤先生(前・国立国際医療センター病院院長)、阿曽沼局長(医政局長)にもお越しいただいているが、独法化される予定のこの種の機関は総長システムというものを取っていて、総長のほかに顧問とか名誉総長が、あまたいるやに聞いている。企業でもそういうことはあって、相当の部屋に入って秘書や車をあてがわれて、交際費を使ってゴルフをしている、そういう存在がいる企業はV字回復しないで谷底に沈んでいったというのがここ20年ほどのことだったと思うのだが、各NCにもそういうものがあるやに聞く。そういうものが本当に存在するのか。

 それから選考の中心を権威のある先生方にやってもらうつもりだったが、事業仕分け以来の科学技術をめぐる騒動を見ていると、権威の方々と第一線の方々との間に隔絶があるようだ。役員を選考する時に、中堅どころの医長レベルが選考委員会の中にいた方がよいと思うか。その辺りのご意見を伺いたい」

 土屋
「がんセンターには、名誉総長が5人、名誉院長が2人いる。名誉総長のうちの1人は個室があって秘書2名分の机があり、1名は官費職員だ。別に応接室もあり執務室には会議用デスクもあるので要するに現役総長と同等の部屋を持っている。他の4人プラス2人は相部屋で各人用の机と秘書用の小机とがある。この中の1人は連日出勤し、厚生科学研究費をまだ持っているので、そのお金で秘書を雇っている。他の方は折に触れて来た時に控室のように使っている。

 若手を入れるかどうかについて、私は若い人を信用するタチなので、中央病院では部長と課長とが集まる運営会議に医長以下の者の代表を入れている。がんセンター全体の運営会議では、そういうことはない」

 近藤
「私自身が名誉院長になっている。名誉総長の方も結構おられる。一部屋そのような人が訪れた時に控室にするような部屋はあるが、日頃は話し合いをする共用事務室として使われているので、そういう方々がいっぱいおられても今のところ特に問題はないと思う。前の総長の名誉総長は、まだ研究費をお持ちなので定期的に来られているが、目に余るようなことはないと思う。今後も称号的なものは存続して構わないんでないかと思う。もちろん特定の部屋なんかは要らない。

 若い方が正しい判断をできるか分からないし、ただでさえ忙しい中でそういう役目までするのは困難かなという気がする。ほとんどの研究費は、ある程度政策目標にかなったもので仕方ないし、それはきちんと評価する人が必要。ぜひつくってほしいのは、独自の研究をサポートすることが、今後の日本の創薬のカギという気がする」

 仙谷
「若手を入れるかというのは、役員選考の際の話なんだが」

 近藤
「若い人はいっぱいいる」

 仙谷
「いや医長クラスの中堅どころ」

 近藤
「中堅もいっぱいいる。日頃それなりの中立的スタンスを取っていて倫理観を持った人ならいいが、アグレッシブに自分の利益ばかり主張するような人を入れると、将来変な固陋になっても困る。日頃の言動をしっかり見極めたうえでの判断になるだろう」

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