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長期債務ゼロでスタートを NC独法化 検証チーム

 内閣府の『独立行政法人ガバナンス検討チーム』第3回会合が8日開かれた。4月に独立行政法人化する6つのナショナルセンター(NC)について、長期債務を一切背負わせない形でスタートさせるとの意見が大勢を占めた。一足先に独立行政法人化した国立大学病院が借金返済のため"瀕死"になっている現実もあり、この方針が貫徹されるか注目される。(川口恭)

 前回までは非公開だったが、今回から報道陣に公開され大変に白熱した議論が行われた。おおまかな議論の模様をお伝えする。

仙谷由人・行政刷新担当大臣の挨拶からスタート。
「NCの理事長・役員の人事について、本来的なミッションを果たすためにどのような選任のしかたがあるのか、どのようにすればよいのか。あるいはマネジメントの工夫として執行役員的なものを置くとか、どこにどのようなことが必要なのか、法的に極めて強い理事長の権限をどうするかといった、まさに今日は核心に入っていただくことになるだろう」

 武田俊彦・厚生労働省政策医療課長が独立行政法人化後の予定キャッシュフロー計算書、予定貸借対照表、運営費交付金の考え方などについて説明。
 この日、サンドバッグ状態になった考え方の言葉だけ抜き書きすると
 「承継する資産見合いの負債を計上
 「レジデントなどについて、これまで労働条件見合いの処遇をされてなかったものを処置しないといけないのでないか」

 吉川廣和・DOWAホールディングス会長
「示していただいた5年間の予定貸借対照表や予定キャッシュフロー計算書には、いわゆる経営努力が全く入ってない。こんな数字にどういう意味があるのか」

 武田
「それについては今後理事長が決定されてから議論していただかないといけない。現時点で我々がすべきは、経営努力の発射台として、最低限キャッシュフローが回るかどうかの見極めをすること」

 吉川
「たいして意味はないということか」

 武田
「発射台としての意味」

 続いて、民間病院ではガバナンスはどうなっているのかという事例として、聖路加国際病院の渡辺明良氏が説明。

 さらに大久保和孝・公認会計士が、志賀櫻弁護士、境田正樹弁護士、伊東賢治公認会計士と4人連名で示した「考え方」の説明。
 主なポイントは
「運営費交付金の算定根拠を示されたけれど、実態としては収支差の穴埋めだったわけだから、だったら最初からその分はあらかじめ減額して会計債務を承継しないという考え方があるのでないか」
「最大の問題が独立行政法人の会計基準にある。そもそも設置主体によって基準が異なるなどというのは世界を見渡しても日本だけ。そこに古参会計士の既得権益があり、私もその権益の中で商売をしてきたけれど、そのこと自体おかしい」

 最後に階猛・総務大臣政務官が、所管する独立行政法人通則法について概説。ここまでで約1時間。いよいよ議論がスタート。

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