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ニュース〜医療の今がわかる

医療機関の情報公開と患者のプライバシー

■ 「私は賛成する立場で特に何も問題はない」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 あの......、診療側(委員)はそれぞれの立場を代表しているので......、個人診療所の場合は私が申し上げるしかないと思って申し上げる。前回も申し上げましたけど、基本的に私はこれに賛成する立場で特に何も問題はない。(中略)

 ▼ 明細書の無料発行が免除される「正当な理由」について、「(明細書発行機能が)付与されていても画面の切り替え等のために一定以上の時間を要するレセコンを使用している保険医療機関」の部分を削除することに賛成した。

 最後に、嘉山先生がおっしゃった点。これ(プライバシー保護)は病院もそうでしょうが、個人診療所は一人で(責任を)背負うので、しょったら大変辛い話です。だから、それはお考えいただきたい。

 例えば、(明細書を発行して)何が起こるかって言いますと、内視鏡検査をして「胃がんだ」って分かったとする。その時点で明細書を発行したときに、病名はなくても分かってしまうことがありますね。内容を見ると、患者さんが......。

 実際には、時系列的に言えばそれが分かってから私たちはご家族等をお呼びして相談して、「この方どうだろう」「大丈夫だろうか」と言って......。闘病していただかないといかんわけですから、その意欲が萎えたり、自殺企図をされたりすることはないかというようなことも慎重に確認した上で、ご本人に病名告知とかをする。

 時系列的には逆になるわけです。そのところで、そういうことが起こってしまうということは大変な懸念であるということは事実でありますので、そういう措置は講じていただく必要があるのではないか。

 最後に、(レセコン画面の)切り替えの時間じゃなくて、プリントアウトするために実際に......、細かい話だけど、時間が掛かります。それが延びると、医療機関全体の職員の時間拘束が延びるので、それは人件費に降りかかりますという話であります。

 この話はここでは私......、(明細書発行について)この趣旨に原則賛成なので申し上げません。当然......、(支払側の)白川委員、お分かりになっていると思います。私が何を言っているか......。(委員ら、笑い) 再診料の議論の所で申し上げます。(会場、笑い) そういうことであります。

 ▼ なぜか会場は大笑い。何が面白いのか不明だが、両側の委員も共に笑顔で和気あいあい。まるで仲の良いサークルのような雰囲気で誠に微笑ましい風景だが、国民の生命や健康にかかわる事項を議論する場なのだから、もっと真剣勝負でやれと言いたい。

[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
 (診療側が全員同意したので笑顔で)はい、どうもありがとうございます。診療側の委員の皆様から、大変、見識のある......(会場、爆笑)。

 ▼ たぶん皮肉だろう。前回の議論を終えた後、業界記者の間から「要するに反対でしょ」「反対なら反対とはっきり言えばいいのに」といった声が出ている。

 また、あの......、今後議論する上で非常に大きな問題点を出していただきましたので......。これはある意味で、まさにこの明細書を発行することに伴ってさまざまな課題がクローズアップされたということでありますので、次年度以降、十分に検討していきたいというふうに思っております。

 そういうことでありまして、2号(診療)側としてはさまざまなご意見の内容につきましては、今後検討することを条件にして、22年度からこの(厚労省が示した)スキームを導入するということに賛同すると、このように理解してよろしゅうございますね?

 (診療側委員、一斉にうなずく)

 はい、ありがとうございます。1号(支払)側、何かご意見ございますか。はい、勝村委員、どうぞ。


【目次】
 P2 → 「大きな枠組みは前回提出したものと同じ」 ─ 厚労省
 P3 → 「この案で2号側の先生方のご了解を得たい」 ─ 白川委員(支払側)
 P4 → 「現状では賛成できないが、賛成したい」 ─ 渡辺委員(診療側)
 P5 → 「国家が責任を負う制度にしていただきたい」 ─ 嘉山委員(診療側)
 P6 → 「現場の忙しい医療機関に負わせるのは大変」 ─ 邉見委員(診療側)
 P7 → 「今後何が起こるか非常に不安がある」 ─ 鈴木委員(診療側)
 P8 → 「より分かりやすいものを段階的に検討する必要がある」 ─ 三浦委員(診療側)
 P9 → 「私は賛成する立場で特に何も問題はない」 ─ 安達委員(診療側)
 P10 → 「綺麗にしていこうと努力する情報開示の力がきっとある」 ─ 勝村委員(支払側)


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