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ニュース〜医療の今がわかる

地域の医師を増やす市民の会 千葉事務局発足


 竜
「臨床研修が地域医療の崩壊に輪をかけたことは間違いない。研修医のアルバイトを禁止したから救急が崩壊した。あれは何かと言えば、文部科学省と厚生労働省の縄張り争いで、大学の医局の力を削ごうとしただけのこと。で、地域の公的病院への医師は千葉大がほとんど供給していたのに、後をどうするのか国が何も考えずに始めてしまったから、地域の病院から医師を引き揚げざるを得なくなって崩壊した。

 ただ私は東京出身だし、増山君だって千葉出身じゃない。それでも千葉大に残る魅力が昔はあった。今は千葉大に魅力がないということも確か。臨床研修について言えば、今こそっと変えているけれど、何が悪かったのかの検証もなし、変えた人が責任も取らずに次から次からどんどん代わって、こういうことでずっと来てしまった。

 質問に出たことに答えると、医師会が全部反対と言っているとは思わない。反対しているのは全国医学部長病院長会議。その理屈は教官不足で、地域の病院で働いている中堅を吸い上げることになってしまうというのだが、私はそういうことになるとは思わない。むしろ現場で働く人の方が教官にふさわしい。引き揚げることになるというのは変な理屈だ。

 総合的には低医療費政策、医師不足政策で後戻りできない所まで疲弊してしまったということだと考えている。抜本的に国の仕掛けを変える必要がある。そのためには資金が要る。医療に無駄がないと言うつもりもないので、たとえば特定健診みたいなものをやめて、子宮頸がんワクチンの接種にあてるとか、ピロリ菌を除菌するとかエビデンスに基づいた政策へと変更したらいい。通達だけ出して責任を取らない官僚たちに任せるのはもう限界だ」

 亀田
「私自身も国立大学法人の経営に4年間携わった。毎年3%の経営改善が必要というルール受けて大変だと思ったが、中に入ってみると無駄も多くて改善余地があったので、あまり痛みを感じることなくやれた。ただし、それはこれまでの話であって、先が見えない中で我慢するというだけではできない。交付金ゼロまで減り続けるのか。特攻隊じゃないんだから、やるだけやってみろでは、あまりに無責任だ。

 医学部長病院長会議の意見について見解を述べると、現場の優秀な臨床医が奪われてしまって地域病院の医師不足が加速するということ、将来医師が増えすぎて困ることになる、ということのようだが、医師教育に関して固定観念に囚われすぎだと思う。せっかく作るなら6年制の新設よりも、4+4のメディカルスクールの方がよいと思っている。
 
 教室にはお金をかけないで研究所は県と連携すればいい。附属病院は、旭、亀田、成田日赤にお願いして現場の人たちを臨床教授にする。週1回だけ講義に来てもらうようにして、実習は病院へ行く。こうすれば、現場のクオリティはほとんど変わらない。給料も大学から払うのは月20万円ぐらいで済む。

 これからつくるのなら、一般の学部と同じ学費で入れるようにするべき。有能な若者にいろいろなチャンスを与えるためにも、現在あるものをいかに有効活用するかが重要だ」

 竜
「医療構想千葉をつくるきっかけになったのは私が知事選に出ようかという話になったからで、その時、全会派の人が総合医療企画部を設置することと県中心にIHNを組むことは採り入れると言ったのだが、どこかに消えちゃった」

 上
「申し訳ないけれど、今までの議論を聴いている限り、うまくいかないと思う。もう千葉県悲惨物語を言っている時期じゃない。 副大臣が医学部新設を検討すると言って、既に3地域が手を上げている。当然、今日から署名活動を始めようとか、そういう話になると思っていたのに、そういう話が一個も出てこない」

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