薬害肝炎検討会終わる 最終回に「薬害」の定義で百家争鳴
堀内龍也委員(日本病院薬剤師会会長)
「医学教育の中で薬害は、医薬品の副作用で、防ぐことが可能だけれど人的な要因によって防げなかったものと教えている。ちゃんと対応すれば防げるものが防げなかったものを薬害と呼ぶんで、やはり人的な要因が大きい」
寺野
「サリドマイドなんかは」
堀内
「あれも日本の対応が一番遅れている」
間宮清委員(薬害サリドマイド被害者)
「薬害の定義は大事だけれど難しいけれど、定義づけすると教育しやすくなる。初等中等教育での薬害教育というのを提案させていただいているわけだが、薬害とは何かをきちんと理解している学生や教員がどれだけいるか極めて怪しい。今ここでは無理にしても、できれば早急に定義づける方向で考えてもらいたい」
椿広計委員(統計数理研究所・リスク解析戦略研究センター長)
「チェックリスト的ないくつかの条件は専門家の方々がきっちり議論しておくといいだろう。例えば当然のことながら医薬品に起因するということ、それから患者さんや医療従事者には基本的に責任が少ないということ、それから予見していないネガティブな効果であること、予見されていれば堀内先生がおっしゃったようにそれなりの防護策があったはず。恐らく議論になるのは、医薬品メーカーや厚労省が当時の科学的な水準でやむを得ず見過ごしてしまった予見できなかったというもの。その場合に、でも患者さんや医療従事者には責任がなかったから広く薬害として捉えて防護策を取るかどうかという話になるんだろう。その辺、過去のものを踏まえて、いくつかのチェックリストを整備すればいいんでないか」
堀内
「医療従事者に責任がないと言ったが、そんなことはない。早く気づいて報告して拡大を防がなければいけない。医療従事者の責任は極めて重い」
椿
「それは起きてしまった後の問題ではないか。医療行為が原因だとしたら、それはむしろ医療過誤として議論されるべきでないか。起きてからの対策については、おっしゃる通りだろう」