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薬害肝炎検討会終わる 最終回に「薬害」の定義で百家争鳴


 間宮
「薬害の定義はそのうち必要になるんじゃないかと言ったけれど、被害者からすると、今までの被害、薬害と言われてきたものが薬害なんであって、こういう定義をしたから、これは定義に合わないから薬害じゃないなんて、裁判やっても勝てませんとかなっちゃったら困る。やっぱり薬害防止をするには何をするべきかということを考えると、今まで痛い目に遭ってきた人たちが、なぜ痛い目に遭ってきたのか、その原因をきちんと整理して後世の人たちに伝える。こんなことをしたらいけないんだ問題なんだ、そういうことを伝えていかないといけないわけであって、それを教育の場でやるというのが大事。定義も大事かなと思いつつ、やはりこのたった50~60年の中で起きた薬害というのをちゃんと伝えていけるシステムを構築していかないといけないと思う(後略)」

 しばらく別の議論を挟んで花井十伍委員(特定NPO医療と人権理事)
「話を蒸し返して恐縮だが、さっきの薬害の定義の問題に絡んで、今回やはり薬事法には薬害を書きこまない方がいいんでないか。報告書では基本法をつくれというのも言っていて、そういう時に薬事法に薬害の定義を実装できるものなのか。基本法を上に乗っけるという話をしている時に、法のステータスの問題もある。皆様に異論がなければなんだが、今回の薬事法のくだりからは外していただいた方がよいのでないか。薬事法では定義することは不可能じゃないか。ここまで踏み込む必要はあるのか。記述を外す方向でお願いしたい」

 小野
「そういうことこそが、まさに論点」

 花井
「後に基本法のくだりも出てくる。そことの整合性が取れない」

 小野
「ここに書くと大変なことになるというのは、皆さんのコンセンサスになりつつあるのかもしれないが、しかしじゃあ定義を全く書かないでいいのか。もし外人にこの話をしたら、定義もせずに2年間も何してたんだと絶対に笑われる。笑われても構わないというのだったらあれだが、この報告書では薬害とは広い意味で書いたんだよということぐらいは、薬事法の問題とは別に書いておくべきでないか」

 寺野
「笑われたくはない。定義するのは難しいけれど、広義なものということは報告書の中にあってもよいだろう。十分に議論はしてないが、我々もそこの部分が大切なんだというのは十分に認識しているんだよということだけは書いておく方向でまとめたい」

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