薬害肝炎検討会終わる 最終回に「薬害」の定義で百家争鳴
堀内
「医薬品には副作用がつきもの。だから重篤な副作用が起こらないように、起こっても被害拡大をさせないようにとする」
椿
「先生おっしゃる通り」
大熊由紀子委員(国際医療福祉大教授)
「大平さんと私でずっと言い続けていること。薬害を薬務の中で解決しようとすると防げない。(医師が)他の国だったら当然わきまえているようなことをわきまえていないは、適応は間違えるは、そういうことで非常に多くの被害者が出ている。これは薬害Bとでも名付けてしまえばいいと思うのだが、人的要因というのが、この国はとても多いということを報告書のどこかに明記しておいていただけたら。教育の問題も言われたが、どういうようにしたら、この問題が通じるのかアイデアが浮かばないままいる。日本の特殊性というのを国民に知っていただきたい」
寺野
「具体的に報告書にどう書いたらいいと」
大熊
「具体的には思いつかないままでいる」
坂田和江委員(薬害肝炎原告団)
「検証作業をする中で、薬害って何だろうと考えた。これかなと思ったのは、行政・企業が食い止められるはずのものに誠実に対応せずに被害を拡大させたもの、こう思った」
西埜章委員(明治大学法科大学院教授)
「薬害の定義がそんなに大事か。これまでも暗黙の了解で議論してきた。改めて定義するのだとしたら非常に広い定義、狭い定義、中間の定義というのが、場面ごとに変わってくる。今までここで議論されてきたのは、法的責任があるかどうかではなくて、むしろ二度と薬害を起こさないという観点でやってきたわけだから、もし定義するなら広く定義していくべきじゃないか」
小野
「まさに、先生おっしゃったのがポイント。定義しなくていいじゃないかと言っても、報告書の44頁に薬事法に薬害を書き込むべきと書いてある。我々が明文化できないまま情緒的に議論してきたことを書き込むべきとなっているのだから、もし書くのであれば、その際に二度と薬害を起こさないという観点から、狭い定義で書かないでくださいぐらいのことは報告書に書いておかなきゃいけないのでないか」