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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼3 小田知宏・前スターティア執行役員社長室長


村重
「これから試行錯誤。仲間が増えるといいですね」

小田
「本当はみんなでできるといいなあと思うので、NPOということもあると思うんですが、でも今は自分1人なので株式会社でやります」

村重
「どんなところが楽しいですか」

小田
「自分は障害を持つ方の支援をするのが好きだと思いますので、まずは今の動きが障害を持つ方に何らか関係をできると思っていることですね。その前の仕事も、電話とかコピー機とか売ってましたので、当然電話がなければ会社ができませんし、コピー機は必ずどこの事務所にもあって、それをスターティアで入れさせてもらえば、より安くよりいいものになるということで喜んでもらえますので、すごい価値のある仕事だとは思うんですけれど、僕の向いている方向がそういうサービスよりも障がい者と関わることにより興味があったというのが現実ですね。なぜ楽しいかと問われると、こういう答えでしょうか」

村重
「以前お会いした時にもやり甲斐があると、ありがとうと言ってもらえるのが嬉しいと言っておられたのが印象に残っているんですよね。こういう仕事で、純粋にそう思ってやっていける方ってそう多くはないと思います。やっぱりキツイ部分もありますよね。とっても深く関わる部分があるので、その分キツイし、その分喜んでもらえた時の喜びがすごく大きいというのはあるとは思うんですけど」

小田
「キツイということを言ったら、どんな仕事でもキツイと思うんですよ。例えば、スターティアという会社はテレアポで営業のアポイントメントを取ってるんです。私は直接はやりませんでしたけど、泥臭い営業で、まあ見ているとみんな大変なんですよ。障がい者支援も大変かもしれないけれど、その大変な分、やり甲斐もあって、障害福祉の仕事は独特のやり甲斐というんですかねえ、障害を持ってなかなか自分1人では社会で自立できないという方に、何らかの支援をすることで障害の状態は変わらないんだけど何かできるようになるという、やり甲斐。関わっても全然変わらないこともたくさんありますけど。

たぶん僕みたいな人、そんなに多くはなくとも絶対いると思うんですよ。でもお金にならない、仕事にならない、で家族がいたりすると、他の仕事で生計を立てて、日曜日だけボランティアで何かやるというような形になって、自分の時間の一部しか関われないから障害の方に十分な支援はできないんだけれど、少しでも関わっていたいという人は世の中にまだまだいると思うんですよね。まずは事業として、うまくいけば仲間を呼べると思っています。

実は、コムスンがまさにそういう存在だったと思うんです。コムスンがなければ、たぶん今の私もないんですよ。高齢者や障がい者の仕事をしてなかったと思うので、志ある人だけじゃなくて、志はなくても少しは興味あるよという優秀な人間が業界に入って来てほしいと思うので、やっぱり自分1人が食っていければいいという話じゃなくて、事業として成立させたいんです。あまり儲かるわけではないでしょうけれど、仲間を雇えるぐらいは儲けたいなと」

村重
「お金にならない業界と言われてますけど」

小田
「あきらめないで工夫していけば絶対にどうにかなるんじゃないかなと思ってます。障害を持つ方自身に無限の可能性があると思っています。高齢者の場合は今まで頑張って生きてきて最後の集大成、障がい者の場合は、まさにこれから成長して、これから社会に貢献できるという無限の可能性を持っていて、私たちが支援することで社会の一員として、その人がまた他の人たちに色々なことができる可能性もあるわけですよね。社会全体にすごいプラスになるじゃないですか。それが実現できるかとしたら、たぶん、その仕事自体に国からかその本人からかお金が流れてきて、事業として成り立つに違いないと思ってます。具体的なプランはないんですけど、そういう世界が来るはずだし、そういう世界に行きたいと思います」

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