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ニュース〜医療の今がわかる:2010年7月の記事一覧

100725discussion.JPG 7月25日午後、東京・有明の癌研究会で<癌研オープンアカデミー『日本のがん医療の未来を考える』>が開かれた。冒頭に野田哲生・研究所長が「がん治療・研究に関するあらゆるステークホルダーが集まって一緒に話をしようという趣旨」と説明したように、医療者はもちろん、患者、政策担当者、企業人、メディア人など150人あまりが集まり、歯に衣着せぬ活発な議論が行われた。今までにないほど率直な議論ができた時に皮肉にも見えてきたのは、隠れた最大のステークホルダーである「医療費を払ってくれる健康な人々」が、その場にいないということだった。(川口恭)

 日本未熟児新生児学会(戸苅創会長)が、このほど『未熟児動脈管開存症ガイドライン』を作成・公表した。治療法などに関する33項目の推奨レベルを決定する際、すべての項目で患者家族とコメディカルの意見を取り入れた。参加した患者家族は、「ガイドライン作成過程が患者家族にオープンにされたことに意義があったと思います」と振り返る。この策定プロセスが広がれば、医療者と患者間にある知識や認識の違いを緩和する一歩になるのかもしれない。(熊田梨恵)

100718syuumatuki.JPG  3連休ど真ん中だった7月19日午後、都内で『市民と医療を考える1-川崎協同病院事件から医と法を考える』というシンポジウムが開かれた。自分や家族の死が避けられない状況になった時、私たちは医療にどこまで求めるのか。直球ど真ん中の問題を考える会になった。(川口恭)

100721tinzyou1.JPG 子宮頸がんワクチン接種への公費助成を求めて21日、毛色のかなり異なる23団体が合同で、長妻昭厚生労働大臣に要望書を提出した。5万2千筆あまりの署名も添えた。各団体の代表や付き添いが顔を揃えた結果、30人を超える大陳情団が大臣室を埋め尽くすことになり、熱気を目の当たりにした長妻大臣も「比較的前向きな答え」(同行の小宮山洋子代議士)をした。(川口恭)

 日本産婦人科医会(寺尾俊彦会長)が昨年実施した調査で、NICU(新生児集中治療管理室)に1年以上入院している子どもは1施設当たり0.72人と、2003年の初回調査時より0.1人増えていたことが分かった。医会は長期入院児の増加を問題視しており、重症心身障害児福祉施設など受入先施設の充実を求めている。(熊田梨恵)

7月16日のDPC評価分科会3.jpg 「医療の質」を判断する基準は患者満足度か、臨床研究の充実度か、それとも役人の方針に従うことか。「医療の質」の意味が不明確なまま、厚生労働省はすべての医療機関が目指すべき方向性として「医療の質の向上」を声高に掲げているが、調査手法はいまだ見えない。(新井裕充)

7月16日のDPC評価分科会.jpg 医療費抑制などを目的としたDPCの導入により、入院期間の短縮に追われる医療従事者の疲弊や粗診粗療の恐れなどを指摘する声もある。「医療の質」を調べる決定打を欠く中、厚生労働省は中医協のDPC分科会で「職員アンケート」を提案したが、賛否両論が相次ぎ紛糾した。(新井裕充)

 国立がん研究センター(嘉山孝正理事長)は、今週から始めた「がん相談対話外来」「病理相談外来」(セカンドオピニオン外来)に関して、相談担当の医師・歯科医師に1回5000円支払う手当を創設した。国立病院系では初めてのドクターフィー導入になるという。(川口恭)

 70の患者団体が連名で13日、がんの適応外医薬品への保険支払いを認める方向で検討するよう求める要望書を、厚生労働大臣など宛に提出した。適応外使用の問題を巡っては、かつて日本医師会の力が強かった時代に、医師の臨床上の判断を尊重し支払いを認めるとした『55年通知』が厚生省から出されているが、最近では有名無実化しつつある。代わって今年から『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』が設置され、適応拡大後の保険適応という手続きの、時間や費用のかかる道へ誘導されている。(川口恭)

 『第11回・厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』(部会長・加藤達夫成育医療研究センター理事長)が7日開かれ、予防接種法で定期接種対象となっていない疾病・ワクチンに関する検討の前提として、それぞれの疾病の基本的情報や予防接種実施によって期待される効果などを国立感染症研究所が中心になってまとめた「ファクトシート」8疾患分が提出された。(川口恭)

表紙15.JPG 救急搬送時に重症患者が軽傷とみなされてしまう「アンダートリアージ」のデータ化など、救急隊が疑った傷病と医師の評価の違いを数値化して搬送の質向上につなげようとする動きが都道府県で始まっている。栃木県内で行われた調査では、救急隊によって「1次対応が適当」と判断されたケースのうち、約3割が医師によって「2次、3次対応が適当」と評価されていた。栃木県からの報告を紹介する。(熊田梨恵)

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