ドラッグ・ラグ解消、「55年通知では無理」?
■ 「この通知でやるのは無理だろう」 ─ 安達委員
[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
会長がおっしゃったとおり、これだけの議題がある中の最後の一部で資料の整理だけなので......。
恐らく、この案件だけで総会が1つ、この議題だけで議論していただかないと、あるいは1回で済まない話だと思うということをまず申し上げる。「これを早急にやりたい」ということをまずお願い申し上げたい。
この「55年通知」で一番大きいのは抗がん剤使用の問題。これについては(厚労省側の)説明に納得したように、再審査の終わった薬剤が対象。
今の抗がん剤の新しい疾患への適応という実態には合わない通知なんですね。この通知でやるのは無理だということはもう......、確かにそうだろうと思う。
ですから、「55年通知的なもの」が、がんの特性と抗がん薬の特性での、いわゆる臓器がん対象の適応症を超えたがんの横断的な適応の在り方についてどうかと、さらに必要なのかどうかということの議論が必要だということが1つ。
もう1つは、公知申請にしても......。認められてからまた治験が必要になって、薬価収載されるまでに時間が掛かるところでまたタイムラグができる。
実質上のドラッグ・ラグを生むという問題が起こり得るので、その場合、公知申請で行く場合に、そこのところを速やかに薬価収載できる方法論はあるのか、どこを変えればあり得るのかという具体的な事例はできれば次回、事務局(保険局医療課)に示していただければありがたい。
もう1点は、抗がん剤の「55年通知」を超えた新たな問題とは別に、私が申し上げている「55年通知」そのものの問題がある。これは、現在の薬剤の使用法における用量の上限設定という問題。そのことを超えた使用についてどうするのか。
これは現在の「55年通知」そのものの議論なので、これについてもこの際、一緒にきちっと結論を出す方向でやっていただきたいということをお願い申し上げておきたい。
[遠藤久夫会長(学習院大経済学部教授)]
ありがとうございます。そういうことも含めてご議論いただきたいと思う。公知申請はあくまでも保険外併用療養の対象となっているということなので、保険収載するためにはまたその期間、ラグがあるというお話。
はい、具体的な中身に入っているが、そういうことで今後ご議論いただきたいと思う。本日は共通の知識の認識ができたということで、私は非常に良かったのではないかと思う。
できれば次回の総会でこの議論を始めたいと思うが......。そのつもりで少し事務局......、していただけますか。どこまでできるか分からないが、キックオフをしたいなと思っている。
以上、用意した内容(議題)は終了した。(以下略)
【目次】
P2 → 「事実関係を少し整理させていただいた」 ─ 佐藤課長
P3 → 「ドラッグ・ラグの解消手段と申し上げたが」 ─ 嘉山委員
P4 → 「8年間は通知が実質適用されない」 ─ 薬剤管理官
P5 → 「安全性の担保という問題も絡む」 ─ 遠藤会長
P6 → 「この通知でやるのは無理だろう」 ─ 安達委員