「標準医療の底上げで、救える命を救う」森臨太郎氏インタビュー③
■「先」より「後ろ」を引き上げる
森
「僕らは進んでいく『先』じゃなくて、『後ろ』をできるだけ引き上げてあげる方が今は大事だと思います。それをやってから初めて先の話ができると思います」
熊田
「他の診療科もそうできるところはありますよね。例えば、がん拠点病院やエイズ拠点病院とかも、あまりにも地域差や格差がありすぎると思います」
森
「がん拠点病院も何百とありますが、かなり診療内容に差がありますし、一部地域では当然の緩和ケアも他ではなかったりします。それってなんだろうと思います。それをどうにかしようとしたいと思うと、公衆衛生的視点からなんとかしようということになります」
熊田
「医療界もですが、国民全体でこういう事を考えるようになるには、どうなっていくとよいでしょうかね」
森
「社会がもっと余裕を持たないといけないと思います。何のために生きているのか、幸せになるってどういう意味か、共生するってどういうものなのかと。そう思っていかないといけません。自分がそれを生きてやっているという自己責任の意識、それがないといけないと思います」
(終わり)