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ニュース〜医療の今がわかる

村重直子の眼14 熊田梨恵・『ロハス・メディカル』論説委員(上)


村重
「その多様性こそが現場なんじゃないでしょうか。本当に現場の生の声そのままで、修飾してないですよね。読み手によって響くポイントが違うのと同様に、記者さんも普段は自分に響いたポイントを切り取って記事にするんですよね。記者さんはここをすごく問題だと思って書いた記事も、記事を読んだ人やインタビューを受けた人にとっては、なんだ全然違うじゃないかと思ったり、そういうことが普通の短い記事だとたくさんあると思うんですけど、そういうのを全部ひっくるめて、色々な、いつもなら割愛されてしまっている想いを全部書いてくださったのかなと」

熊田
「切り落とせなかったんですよね。あまりにすべてが大事というか、ドクターの言葉も、お母さんたちの言葉も一個一個が本当に、これを伝えなかったらどうするんだという感じがして、本当に切り落としたくなかったんです。だからすごく多くの方が感想を寄せてくださったのかなと思います」

村重
「みんな1人ひとり、響く場所が必ずあるんでしょうね」

熊田
「すごくビックリしたのが、感想を寄せてくださる方が、『実は自分も』とおっしゃることが多くて、『自分の家族が』とか、『私の関わっている患者さんが』とか、みんな意外と身近な話なんじゃないかなと思うようになりました。表に出さないだけで。親戚に障害を持っている人がいるとか、私実はNICUに入っていたとか、なかなか普段そういうことって会話には、日本って身内の恥だというような考えもあると思うんですけど、言わないだけで本当はもっとみんな思っているんじゃないのかなというのを感じました。もっとそういうことを話せる場があるといいなと。私に感想をいただけるのもすごくありがたいのですけど、もうちょっとそういうことをシェアできる場があるといいなという気がしたんですよね」

村重
「ブログとかネットの発達で、1人ひとりが世の中の不特定多数の人に向かって書くツールができたので、段々そういう発信が増えていくと思うんです。さらに、こういう本が出て、そういうきっかけになると、もっともっと話しやすくなるだろうし、タブーの壁がどんどん低くなっていくと思います」

熊田
「私は、なんでこれがタブーなのかなと思ってしまいました。すごく大事なことで、みんなで話していかなければならないことで、だからこそタブーなのかもしれないけれど。もっともっと話していけるようになったらいいのになあと思います」

村重
「そうですね。本当にみんなの心に響いていると思うので」

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