村重直子の眼14 熊田梨恵・『ロハス・メディカル』論説委員(上)
熊田
「今度は、村重先生の『さらば厚労省』のお話を伺いたいのですが、この中で特に先生のアピールされたいことは、どういう辺りになりますか」
村重
「日本の医療や厚労省の背景にある構造問題を、皆さんに知っていただき、考えていただきたいということですね。背景の構造問題は同じなので、どのテーマから入っていただいてもいいと思います。それぞれの心に響くところから入っていただいて、でも多分辿り着く構造問題は同じです」
熊田
「本を書いてみて、いかがでしたか」
村重
「熊田さんは普段記事を書いておられるから抵抗ないというか、単にいつもより量が多いというだけのことだと思うんです。私も少し論文を書いたりします。論文は医者に向かって書く、専門家どうしで情報を共有するものなんですけど、一般の方に読んでほしいなと思って、時々ネットの記事なども書いたりしてました。その中の一つだったので、私の中ではあまり違わなくて、一般の方向けというだけのことなんですね」
熊田
「じゃあ、ドクター向けより一般向けの方が書くのは難しいとか、そういうことは」
村重
「私にとっては難しいです。難しいですが、論文の場合は何千wordsとか制限があるので、本はそれがなくて、言葉を尽くして説明できる媒体とは思いましたね」
熊田
「一般向けということで苦労したことは、どの辺りですか。私は立ち止まらずに読んだのですけど、医療の話って難しいですよね。なかなか一般の方には分かりづらいかなとは思うのですけど」
村重
「編集者とやりとりしていて、意図がきちんと伝わってなくて直していただいた部分など、戻ってくるとああここが伝わらなかったんだとわかることがありましたね」
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