DPC病院の特性等に関する調査結果
厚生労働省の調査によると、平成21年の「緊急入院の率」は100床以上200床未満の病院が55.5%と最も高く、次いで100床未満の病院(53.4%)、200床以上300床未満の病院(52.6%)だった。
一方、最も低かったのは500床以上の病院で37.6%だった。
この調査は、昨年8月の中医協総会からの要望を踏まえ厚労省がDPCデータを再集計したもので、12月16日のDPC評価分科会で既に審議済み。しかしその後、震災の影響もあってか、上部組織の中医協総会でほとんど審議されていない。
また、同日の分科会で松田晋哉委員(産業医科大医学部公衆衛生学教授)が「調整係数について」と題する資料を提出したが、これも中医協総会で審議されないまま、「100床当たり医師数、100床当たり研修医数が多い施設は調整係数が高い」などの分析に沿ったDPC見直し案が成立しようとしている。
中医協には「沈黙は承認とみなす」という暗黙のルールがあるらしい。そのせいか、厚労省が示した資料と関係のないことを一部の委員がベラベラしゃべりまくって時間を浪費すると、審議されない資料はほぼ承認されたような扱いのまま残ることもある。
例えば、5月18日の中医協資料「その他」の多くは、厚労省の説明がないまま審議されずに放置されている。これはいつか議論するのだろうか。
なお、「緊急入院の率・患者数」については5ページ、松田委員(現分科会長代理)の資料は12ページ以下を参照(出典:2010年12月16日のDPC評価分科会の資料、および議事録)。
【西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)】
ただいまから、平成22年度第9回診療報酬調査専門組織・DPC評価分科会を開催させていただきます。(中略) それでは、まず資料の確認を事務局からお願いいたします。
【厚生労働省保険局医療課・丸山慧主査】
事務局でございます。それでは、資料の確認をさせていただきます。(中略) D-2に、平成21年度の退院患者調査について追加集計をということでございましたので、そちらの追加集計報告、でき上がってまいりましたので、少し分厚めでございますが、用意させていただいております。(中略)
▼ 資料はこちら。
その次がD-3ということで、前回、調整係数の御議論をいただいた際に、池上委員から宿題をいただきまして、参加年度別に集計した資料をおつけしております。
めくっていただきまして、D-4が、松田委員のほうから調整係数についてデータを集計していただきましたので、資料としてつけさせていただいております。
次に、D-5-1、D-5-2が、前回に引き続き、DPC制度の概要と基本的考え方、それと論点のペーパーを2つに分けて、5-1、5-2という形で用意させていただいております。資料としては以上でございます。
[西岡清分科会長(横浜市立みなと赤十字病院長)]
資料について、よろしいでしょうか。(中略)
続きまして、DPC導入の影響評価に関する調査結果および評価の追加集計報告につきまして議題としたいと思います。
これは以前に、こういった切り口から再度調査し直してはどうかというので、これを調査していただいたものの結果でございます。事務局のほうからお願いいたします。
【厚生労働省保険局医療課・丸山慧主査】
追加集計、本体報告のほうは既に6月30日にさせていただいておりまして、個別医療機関毎の値については、先般御報告させていただいたとおりでございますので、再度ここに提示してあるのは、病床規模別であるとか、病床構成であるとか、診療機能等、年齢階級別にまとめ直したというものでございます。
最初に申し上げさせていただきますと、追って来年の本報告についてどのような形にするかということについては、別の機会を改めて設けさせていただいて、御議論いただきたいと思いますので、本日、再集計とはいえど分量がかなり多くなっておりますので、本日は簡単な説明にとどめさせていただきまして、御指摘等ございましたら事務局へお寄せいただければと存じます。
【目次】
P2 → 施設類型等の概要
P3 → 平均在院日数
P4 → 入院経路
P5 → 緊急入院の率・患者数
P6 → 入院時の紹介率・退院時の紹介率
P7 → 退院先の状況
P8 → 転院の割合
P9 → 退院時転帰の状況
P10 → 再入院率
P11 → 同一疾患での6週間以内の再入院の割合
P12 → 調整係数と各変数の相関係数
P13 → 重回帰分析の結果