文字の大きさ

過去記事検索

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。
特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

大人も気になるアトピー性皮膚炎。

アトピーは治るもの。気長に根気よく。

 標準治療では、ステロイド軟膏を中心とした薬物療法のほか、スキンケア(下参照)と医師の指導に基づいた原因・悪化因子の除去を行います。
 特にスキンケアは予防的側面を持っています。つまり、スキンケアによって皮膚のバリア機能が高まると、ちょっとした刺激ならブロックされて、炎症やかゆみを生じず、より湿疹の出にくい皮膚に保つことができるのです。
18-1.4.jpg 加えて、深酒や寝不足を避けるなど、基本的な生活習慣の改善も心がけましょう。
 さて、もう一つ、アトピー性皮膚炎についての誤解があります。「一生治らない難病」だと思い込んでいる人がいることです。これにはいくつか、原因が考えられます。
 まず、短期的に治療効果が上がるとはかぎらないこと。本人の体質に合った治療法がすぐに見つかるとはかぎりませんし、食べ物や生活習慣の改善やストレスの軽減など、複雑に絡み合った原因に少しずつ対応していかねばならないからです。
 さらに、誤解が生んだ悪循環も深刻です。「治らない」「治りにくい」とマスコミが強調し、不安にかられて「もっと特別な治療法がないか」と不適切な治療に走ったり(アトピービジネスというのがあります。コラム参照)、情報が錯綜した結果、「結局は我慢が大事なんだ」と思い込み、ますます悪化させてしまう例です。
 たしかに、アトピー体質そのものは治療によっても変わりません。いったん症状が治まっても再発することが多く、繰り返すうちに精神的にまいってしまう人も少なくないのです。
 ですが、考えてみてください。治療の本当の目的はどこにあるのでしょう? 根治することや治療のための治療になっていませんか? 大切なのは、QOL(生活の質)を維持し、快適な社会生活を送ることですよね。
 正しい標準治療によって日常生活に差し障りがない程度に症状をコントロールすることは、けっして難しいことではありません。そして、体質が変わらなくても、一定の年齢になれば必ず自然に治るものなのです。中高年にアトピー患者がほとんどみられないのはそういうことです。
 また、患者が増えているといわれていますが、疑問もあります。実際に増えているだけでなく、しっかり診断がつく人が増えているのも事実ですし、とくに成人型の場合は、社会的な環境の変化で重症化した人が目立ってきているのかもしれません。
 気長に、けれども根気よく、正しい標準治療を続けること。それが一番です。

アトピービジネスに要注意!  「アトピー性皮膚炎は怖い病気」「ステロイド塗り薬は怖い薬」と宣伝し、症状に悩む人の心理につけ込み高額な商品を販売する「アトピービジネス」が氾濫し、問題になっています。保険のきかない特殊療法、高価な健康食品や水、健康法など。根拠のない治療法を続けたために悪化し、入院したり、会社を辞めたり、ついには死亡に至る例も出てきています。悪徳業者の巧みなマインドコントロールに惑わされないためにも、正しい知識が欠かせません。万が一、被害に心あたりのある方は、「アトピービジネス被害者110番」まで。

  • タイ王室の高貴なお茶 お求めはHAPPY GRINで
  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
サイト内検索
掲載号別アーカイブ