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気づいていますか? 老人性難聴

補聴器をつけたいときも、まず耳鼻科へ。
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 さて、耳鼻科へ行って老人性難聴と診断された場合。あるいは、気づかないうちに進んでしまい、ようやく自覚した聴力の低下。しかも回復が見込めない、そう認識すると、「誰でも年をとれば耳は遠くなるもの」と分かってはいても、ちょっと困ったと感じるかもしれません。まして、すでにコミュニケーションに支障が出たり不便を感じている人は、とにかく早くなんとかしたいもの。
 今できる最善の対策は、補聴器で聴力を補うことです。まだ「誰もがお世話になるもの」というほどお馴染みのグッズではなさそうですが、「年をとって耳が遠くなったから補聴器を使いましょう」というのは、いわば「老眼になったから眼鏡をかけましょう」というのと同じ。これからの高齢社会、補聴器はますます重宝がられるのでは?
 とはいえ、なかには「年寄りくさくて使いたくない」と抵抗がある方もいらっしゃるとか。たしかに昔はポケット型(箱型)が主流で、本体も大きく邪魔、イヤホンをつけたり外したりするのも面倒でした。しかし今では、耳にかけて使う耳かけ型や、さらに小さく目立たない耳穴型がどんどん普及しています。その他、特殊なものに加え、それぞれの細かい違いやデザインまで見ていくと、70~80種類はあるそうです。
 とくに、耳かけ型と耳穴型には従来のアナログ式に加えてデジタル式が登場したことも、普及に拍車をかけています。アナログ式はマイクロホンがひろった音を直接調整し、増幅させるしくみ。一方、デジタル式は、音声をデジタル信号に変換し調整・増幅を行ってから、再び音声に戻し、スピーカーから流すものです。
 デジタル方式だと、音の種類や音量を瞬時に判別して騒音を小さく抑えるなどのメリットがありますが、価格も高めなのが難点でしょうか。また、人によってはデジタル調整が合いづらく、アナログ式のポケット型の愛好家もまだまだ健在だそうです。(お年寄りの中には小型のものは扱いづらいという理由でポケット型を選ぶ人もいるとか。使いやすい補聴器の開発が待たれますね)
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 いずれにしても、補聴器は医療機器。試してみたいと思った方も、まずは耳鼻科で相談を。自分では聞こえが悪くなったと思っていても、まだ補聴器を使うほどではないとわかったり、老化ではなくたまった耳アカや聴神経腫瘍が見つかることだってあります。職業やラフスタイルなど、さまざまな要素を考慮して補聴器の型や使い方について処方箋を書いてもらい、紹介された補聴器店に持参して実際の器具を選ぶのが合理的です。
 ちなみに、「補聴器を使うと余計に難聴が進行してしまうのでは?」と心配な方、大丈夫です。老眼鏡をかけると老眼が進む、というのが誤解であるのはご存じでしょうか。同様に、補聴器のせいで聴力が悪化することはありません。ただ、老化の進行という意味で、聴力もやはり衰えていくもの。補聴器を使うようになってからも、年に1度は耳鼻科で検査を受けてください。

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