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前回、食品添加物からのリンの摂取は、1日500㎎未満を目安にしたいと説明しました。食品のリン酸塩の使用状況調査、第3弾はパンです。売上上位3社の広報部署に問い合わせました。
文・堀米香奈子 本誌専任編集委員。米ミシガン大学大学院環境学修士
※生地を焼いて作るもので、揚げて作る「ドーナツ」は含みません。
 一括名表示が認められているリン酸塩の用途の一つに「イーストフード」があります。発酵してパンを膨らませるイースト(酵母)を、より活性化させる食品添加物で、リン酸塩を含むかどうか、表示からは分かりません。

膨張剤に使用も微量

 まず業界1位の山崎製パンは、「パン類全般に」イーストフードや乳化剤を使用しているものの、それらには「リン酸塩を使用していません」。

 ただ、「メロンパンのビスケット皮部分の製造時に膨張剤を使用しており、この膨張剤にはリン酸塩が使用されています。使用目的は重曹の分解の速度を適切にコントロールすることにより、食感を良化するためです」とのこと。リン酸の使用量として、同社は「あくまで一例ですが(中略)メロンパン100gあたり、10㎎程度」と説明します。リンの量に直すと数mgです。コンビニなどで売られているメロンパン1個が、ちょうど100g程度です。

 業界3位のフジパンも、イーストフード、乳化剤、pH調整剤について、「リン酸塩の使用はしておりません」。ただ、やはり膨張剤にはリン酸塩を「一部使用」しており、目的や使用量は「企業秘密」とのことでした。なお同社には、イーストフードその他の食品添加物を一切使わない商品群もあり、そうした商品を開発した理由は、「裏面原材料の表示数を少なくし、すっきりとした表示にしたいため」だそうです。

 一方、業界2位の敷島製パンは、イーストフードその他の食品添加物への「リン酸塩の使用、不使用に関して社内的な取り決めはありません」、配合に関する情報は「開示できません」とゼロ回答でした。

 ただし同社でも、2005年に消費者の「無農薬、有機、あるいは無添加、ナチュラルの流れ」を踏まえて「添加物を極力使用しない」パン開発に着手。一部の商品でイーストフードと乳化剤そのものを使っていません。

中身次第

 山崎製パンの担当者によると、「pH調整剤の表示がある製品でも、パン生地ではなく、中身のクリームや具などに使用されているもの」だそうで、別業者から買っているため、リン酸塩の使用や目的は分からないとのことでした。

 というわけで、パンそのものから、リン酸塩を知らないうちに大量に摂取していることはほとんどなさそうです。一方、菓子パンや総菜パンで、中身の具に使用されている可能性はあるようです。

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