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いのちの授業〜がんを通して:2017年12月の記事一覧

皆様 お変わりありませんでしょうか?

早いもので今年も残り10日余りとなってしまいました。

「いのちの授業~がんを通して」も、お陰様で12月2日(土)に実施した調布市立調布中学校での授業をもちまして、無事に今年度の予定を滞りなく終了することができました。

こちらのブログにつきましても、今年最後の記事となります。

今日は、その調布中学校での授業についてご報告いたします。

同校では、当日は1~4時間目までの授業が組み込まれており、
1時間目 「いのちの授業~がんを通して」事前学習
2~3時間目 「いのちの授業~がんを通して」
4時間目 「いのちの授業~がんを通して」事後学習
という内容になっていました。

11月20日の記事でもお伝えした通り、調布市では、平成24年12月に小学生が給食による食物アレルギーで亡くなるという事故が発生し、そのことを教訓に市内小中学校で、12月1日から終業式までを「いのちと心の教育月間」とする取り組みを実施しており、今回の授業は、「道徳授業地区公開講座」としての位置づけであると同時に、「いのちと心の教育月間」の取り組みの一環としての位置づけでもありましたので、正に1日「いのちと心」について考える機会になったようです。

授業は、我々講師陣の持ち時間はオーバーすることもなく極めて順調に終了し、特に、阿南さんのお話は、コンパクトにまとまりつつもインパクトのある内容となっており、新体制になってからの実施3回目にベストパフォーマンスを提供できたと自信を深めたところです。

続いて、生徒さんからの「質問タイム」へと進んでいきました。校長先生は、「うちの生徒は大人しいので質問が出るかどうか」とご心配をされていたのですが、実際には質問したい生徒さん全員には時間が足りないという状況になり、大変活気を帯びたやり取りができ、校長先生も驚きながらも満足をされていました。

今年度最後の「いのちの授業~がんを通して」は、大成功であったと言えると思います。

以下にアンケート結果のグラフを表示いたします。

アンケートの内容等につきましては、11月5日の記事をご参照ください。

調布市立調布中学校.jpg

前回の大南学園第四中学校同様、すべての項目で実施効果が出ているようです(特別支援学級の生徒さんは若干傾向が異なっていますが)。

第2学期に3校実施したわけですが、1時間目に事前学習を組み込み、2~3時間目を「いのちの授業~がんを通して」とした2校において同じような結果が出たということは、直前に事前学習を実施した方が高い効果を期待できるという仮説が成立する可能性がありますので、来年度の実施に対する一つのヒントになるかと思っています。

以下、自由記述欄から生徒さんたちの感想等を記載いたします。文意は変更してありませんが、表記に関しては当方で一部改変してありますので、ご了承ください。

・ガンを通して、命は短く弱いものでいつどうなるか分からない。でもガンなど苦しい思いをしてもあきらめないことが大事だと思う。今、自分にできることは、多分、今生きてられることに感謝して、この一日一日を大切にすることだと思いました。(特2男)
・がんはつらいものだけど、手術を乗り越えてきたからこそ夢があることは素晴らしいことだと思います。いのちは無駄にはしてはいけないので、大切にしていきたいです。(特3女)
・いのちがあることは奇跡だから、つらいことがあっても懸命に(人に頼ることも大切にして)生きていきたい。(3女)
・がんは、一見マイナスなことしかないとないと思っていたけど、見方を変えるとプラスに変えることができ、良い経験になるということが分かった。(3男)
・がんだけではないけど、病気(重い)になったら人生終了ではなく、治したら次のステップへ行き、新しい自分と生きていくということが必要だと思った。(3女)
・つらい経験をしたからこそ得る尊いことに気づいた時、人生はとても充実していると思う。マイナスのことを少し見方を変えることでプラスに捉えることができるので、見方を変えたいと思った。(3男)
・「いのち」は人それぞれ違うけど、「命」のように大切にすることは同じである!(3女)
・自分のテロメアの研究をしたいという夢が大きくなった。テロメアの研究を通してがんを治せる新しい技術をつくりたい。(3男)
・僕の母もがんだったので、母のつらさが分かってよかった」。(2男)
・いのちは一つしかないし、一度しかこの人生は味わえない。だから、どんなにつらいことがあっても「死にたい!」とは言わない。逆に「死にたい」なんて言う人がいたら、そばにいて、今回の話をしてあげたい。
・今生きていることは当然ではないし、できていることも当たり前ではないということを改めて思った。阿南さんの話を聞いて、つらいことや苦しいことはたくさんあるけど、生きることを選んで後悔はしていないと言っていたので、素晴らしいことを聞けたなと思った。(2女)
・本当にがんになって絶望してたと思うのに、私たちに話してくれたことに感謝してるし、〇〇(友人の名前)と一緒に泣いてた。本当に親とのやり取りとかも私たち思春期と同じだったから分かった。(解読不能)突然何が起きるか分からないから大切にしようと思った。(2女)
・人それぞれ嫌なことがあるけれど、もっと大きな病気と闘っている人もいて、それを乗り越えた人というのは夢を追う姿勢で輝いていると思った。だから、私も命のある限り、夢を追い続けたい。(1女)
・がんでやりたいこともできなくなる人がいるのに、私たちはできることもやろうとしないのは駄目なので、自分たちにしかできないことをしていきたい。(1男)
・もう二度とこういうことを考えたくもないし、聞きたくもない。こういう生と死について考えることで、生きることが怖くなる。(1女)
・「がん」は悲しい、怖い病気でもあるけど、友達や家族のきずなが見えるかけ橋になってくれるものなんだとも感じました。(1女)

今年度の総括会議は、メンバーのスケジュールの都合上、来年1月17日(水)に実施されますので、平成30年度の実施方針については同月20日の記事でお知らせできると思いますが、既に自校での実施に興味をお持ちの先生方は早目にお問い合わせくださいますと幸いです。

お問い合わせは、satoshi.kawaguchi@lohasmedical.jpまでお願いいたします。

どうぞ良いお年をお迎えください!

皆様、こんにちは。

寒さが増してきておりますが、お変わりありませんでしょうか?

さて、今日は、前回ご報告する予定であった標記の件、お伝えをさせていただこうと思います。

アンケートの実施方法や設問については、11月5日の「目黒区立第九中学校」の記事をご参照ください。

今回は結果のみ記載させていただきます。

まず、グラフをご覧いただきたいと思います。

大南学園第四中学校.jpg

今回は、これまでにはない結果が出ているようです。

通常、1と5の設問に関しては、事前と事後でかなりはっきりとした差が出るのですが、すべての設問に対して差が見て取れる結果となり、講師のお一人である久住英二氏からも
「アンケート結果、拝見しました。これは大いに勇気付けられる結果ですね! 土曜日の調布は、より平易な用語の説明に気をつけて頑張ります」
というコメントが寄せられました。

この結果が出た要因としては、以下のようなことが考えられると思います。

1 2~3時間目に実施した「いのちの授業~がんを通して」の直前である1時間目に事前学習を実施したことにより、生徒たちがより意識的に授業に臨むことができた。
2 元患者である阿南里恵氏の話が、生徒たちの心に響き、より多くの生徒が前向きに考えていこうという気持ちなった。

以下に、学校を代表して3年生の自由記述欄コメントを紹介させていただきますが、阿南さんの生き方に共感を表す内容も複数出てきています。( )内は性別を示しています。なお、文意は変更していませんが、漢字・かな等の表記に関しては、当方で一部改変してあります。

・こんなにつらいのに自分を前向きにできて前に進んでいる姿を見、僕はもっと頑張らなきゃいけないなと思いました。(男)
・ガンを通して、生き方が変わっているのが分かりやすく伝わってきて、ガンにかかっても、何かできることを探すことで生きれるのがすごいと思いました。(男)
・がんを克服して強く生きる阿南さんに生きる勇気をもらいました。また、「生きる」ということはとても大切なことだと気づかされました。ありがとうございました。(女)
・将来、医者になろうと思っているので、たくさんがん患者がいると分かって、助けたいと思った。(男)
・どんな絶望でも振り払えば希望が見えることがあると分かり、絶望に浸るのではなく、視点を変えるのが必要。(男)
・話を聞いて、病気に負けずに強い心で戦い続けた姿に心を打たれた。自分も前向きに目の前にあることを頑張りたい。(女)
・がんのような大きな病気にかかってしまっても、いのちがあれば、何か自分にしかできないことが見つかるかもしれないから、「死にたい」とかは簡単に言ってはいけないんだと思った。(女)
・「生きていることは、全然当たり前なんかじゃない。いつ誰にどんなことが起きるのか分からない」ということを学びました。(女)
・阿南さんががんになった時のつらい現実や、それをポジティブに変える人生の一片のお話を聞かせていただいた。将来のことを話している時に、すごく生き生きとしていて、こういう人みたいに、夢を追いかけたいなあと思った。(女)
・がんは、私のおじいちゃんもなったものであり、がんの苦しさは分かっているつもりでしたが、実際は、直接的な痛みや苦しみだけでなく、自分はもう〇〇ができない、などの精神的なつらさあるのだと気づきました。母や父、自分もなる可能性もあるので、真剣に考えていきたいです。(女)
・「がん」という病気を乗り越えて、生きているエネルギーにあふれている姿を見て、「がん」になることはそんなに怖いことじゃなくて、大切なのは、そこからどう立ち直って「いのち」と向き合うかなんだなと感じました。(女)
・一番大きく学べたのは、命が当たり前のようにあると思っていたことだ。これは当たり前ではないと。いつ死ぬか分からないのに、病気にかかって苦しむかもしれないのに、当たり前のようにしていた。これは違うのだと学べた。大切な授業だったのでよかった。(男)
・病気などで、生きたいのに生きれなくて死んでしまう人たちがたくさんいる中で、私たちが今、幸せに生きていることはすごい、キセキに近いことだと思い、自分を大切にして、他の人も大切にし、いのちを無駄にしたくないと思いました。(女)

調布市立調布中学校でも、「いのちの授業~がんを通して」当日の1時間目に事前学習を実施していますので、どんなアンケート結果となるか、楽しみにしているところです。

今後、今年度の総括会議を経て、来年度の方針等を決定させていただくこととなりますが、ご興味をお持ちの学校は、早目にお問い合わせいただけると幸いです。

問い合わせ先は、私、川口 利の以下のメールアドレスあてでお願いいたします。
satoshi.kawaguchi@lohasmedical.jp

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