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ニュース〜医療の今がわかる

後期研修班会議3

桐野
「学術会議は、そこについて言ってない。ただし当然ながら、現在は医道審が果たしている懲戒もやる、組織から外れれば、たとえば保険医になれないとか医師免許の停止や剥奪まで行くかは分からないけれど、それをやらなきゃ何の意味もない。医師の全員が加盟する、戦前はそうだったのだから、受け入れにくいかもしれないが決して奇異な主張ではないと思う」

有賀
「奇異とは思ってない。質のよい医療の提供のためどうすればよいのかという意味で聞いた」

阪井
「制御は自律的にというのは素直に心に響く。素直に思いたいのだが、そう思えないのは、実は米国の小児科医からこんな話を聞いた。米国の小児科学会が専門医資格の更新・再試験制を打ち出した時、最初は反発が強くて頓挫しそうになった。ところが後ろ向きな話になりかけたところで、会場のオーディオビジュアルの技師がディスカッションを聴いていて、私にも一言しゃべらせてくれとマイクを取って、自分たち電気技師は毎年試験を受けないといけないのに、自分たちの子供の命を預けるあなた方が再試験に反対することは信じられないと言ったところ、そこから一気に再試験に流れが傾いて、今では更新・再試験制でやっている。この話を見ても、きちんとやっている米国でも、やはり自分たちに厳しい自律というのが難しいのだから、閉じた形で自律するのは利益相反になって難しいのでないか。一般の人をボードメンバーに1人でも入れることで自分の利益ばかり主張できない仕掛けになっていないと自律的にやれないのかなという気もしている」

外山
「共通点というか、長年考え実践してきたことと同じ。であるが、私は今の場所に25年間いる。それだけ長いことやっているのに、いまだに実現していない。長年にわたって、色々な方が良心的に発言し続けてきたのに世界に冠たるような専門医制度にはなってない。今やるしかない。今スタートしても5年や10年では実らない。医師だけでパワーつくりうるかと言ったら、過去を見てもつくれないことは明らかでないか。国民に少しでも分かりやすい透明性を出してやるしかない。専門医教育は米国が世界一だと思う。なぜ自分たちのことだけを考えずに質の向上に強く動けるのか、そのためには部外の人、一般市民、知識層が入っている。1人でも入っていることによって透明性を高めて、医師の利益だけを考えた発言ができにくくなる。

米国の専門教育も紆余曲折があってこうなっている。いっそ、そのままモノマネしたらどうか。一定の期間かけていろいろ失敗もしているのだが、なぜうまくいっているのか理由が分からない。彼らの努力は大したものだから、そのままマネしたらいい。そうでなくて、日本独自にできるんだろうかと考えたとき、今までの経緯を見たらできるかどうか不信感がある。部外者の方を入れた制度をつくっていくべきだ」

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