後期研修班会議3
「冗談に、できないのなら51番目の州になってしまえばよいと言うことがある。米国の制度を日本語であれしてもらうというのも手かもしれない」
江口
「学会を離れた専門医集団ができたとしても、将来予測は不可能でないか。透明性も大事だが、それ以上に医療の発展、技術やテクニックの変遷にリソースの配分が追い付かないこともある。次の状況、起こりつつあることは医師だけじゃなくて将来予測する専門集団をつくっておかないとビジョンが外れてしまうことにないか」
桐野
「具体的になるにつれ難しくなる。専門職集団の誇りとしての自律、法的規制の下で認証して、それをつくった所から報酬体系で押す引っ張る両方必要でないか。相当な広い範囲の支援が必要なんだが、医師に任せて大丈夫なのかという気持ちはある。全体でやって見せる行為がないと難しい。しかし今はチャンス、日本医師会も困ってる医学会も宙ぶらり、病院組織も大学もみなバラバラ何らまとめることできない状態だ」
江口
「何か別にやっていてこの仕事にあたったとしても10年先20年先考えて動くのは無理。学会を離れて運営に当たるコミッティーの人材を確保することが必要だろう。行政も何を考えて仕事をしているかといえば5年先くらいだろう20年先にどうかということは考えていない。今までと同じ対応をしたら失敗を繰り返すことになる」
桐野
「米国もいろいろ失敗しているが、5年先のことを考えるシンクタンクを持っている。民主党系、共和党系ある。医師会は類似のものをつくったが機能していない。ものを考えること専門の集団を持っていなければ、学部長や院長といっても、その職になるまではほとんど素人。そこから数年勉強して発言するようになっていくのだが、どうしても考えることの裏付けが薄い。そういう組織を持ってないと医師も対抗できない。それぞれの組織がバラバラに対応するのでなく医師がしっかりした組織を持つ必要がある」
土屋
「専従者が必要というポイント。実務の部門は学会が専門にしているのでよろしかろう。制度認証の方は、医師会の総研のような事務局が必要で、実務の部分だけでなく評価・認証のためのコアな委員会のメンバー自体も専従でないと難しい。コアの下の事務局もかなり大きな組織が必要。医療機能評価機構のような組織にして官費でやらないと難しかろう。コミッティーのメンバーがどこかの代表で来ていたら同じこと。米国は専従でやる構図になっている。日本の委員会はその時はいい議論をしても、学部長や院長は帰っちゃうと忘れちゃってる」
川越
「専門医制度を確立して認証評価していくことに賛成だ。ひとつ、専門医制度のベースになる学会の問題がある。歴史ある学会と新しい分野、たとえば私の専門である在宅ホスピスは専門性高いけれど学会がない。そういうものがあることと、内容が類似している学会もいくつもある。その整理も考えていかないといかんのでないか」
桐野
「学会を整理するのは難しい。だからといってゴニャゴニャで進まないというのではいかん。一定の議論の後は服してもらうしかないのでないか。AとBという類似のものがあったなら、合同でやるかAかBのどちらかを取ることにならざるを得ない。選ばれなかった方は先細りになるだろう。非常に強い決意と根拠とを持ってやれば可能だろう。基本的なボードの数は20いくつというのは各国見ても基本的だろう。サブスペシャリティは、議論するのが早いだろう。学会を一つ選ぶときには、法的な根拠を持ってでないとうまくいかないだろう」
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